2026年8月9日日曜日

第二サムエル2:1~27 王国の分裂

この後、ダビデは主に伺った。「ユダの町のどれか一つへ上って行くべきでしょうか。」主は彼に「上って行け」と言われた。ダビデは、「どこに上ればよいでしょうか」と聞いた。主は「ヘブロンに」と言われた。(第二サムエル2:1) 

 サウル王が亡くなりダビデを取り巻く環境が激変したので、ダビデは真剣に主の導きを求めました。王としての歩みを正式に始めるべきか。どこに行くべきか。

あなたの番です。大きな環境の変化は、新しい世界を開く扉の役割を果たします。主の導きを求めて下さい。神は何を求めておられるか。自分にどんな使命や賜物があるのか。新しい一歩を踏み出す時なのか、どこへ行くべきなのか?

 ダビデの出身部族はユダ族で、その領地は死海西側の山地にありました。その一番南の町ヘブロンにダビデが出て行くと歓迎を受けただけでなく、ユダ族全体としてもダビデを早々と王として承認しました。(4節)

ダビデはわざわざ使者を送りヤベシュ・ギルアデの人々を称賛しました。ダビデもサウル王の死を悲しみ、サウル王を慕うヤベシュの人々も大切にしました。(4~7節)

ダビデはこの時30歳(第二サムエル5:4)、平和に全国統一をしたかったので7年間6か月の時間をかけました。(11節)ヤベシュの人々へのダビデの寛容さは、そうしたダビデの願いを表すものでした。

 あなたが新しい責任を負った時、権力を振りかざして言うことをきかせることができます。あるいは、ダビデのように、忍耐深く、平和裏に全体をまとめて行くやり方があります。あなたはどんな影響力を用いたいですか。

 さて、ほとんど全滅したようにみえたイスラエル軍でしたが、サウルの将軍アブネルが生き残っていました。そして、サウル王の息子イシュ・ボシェテ(40歳)を担ぎ上げてヨルダン川東岸のマハナイムを暫定首都としました。(10節)ダビデの全国統一を阻む勢力になりました。

 北軍の将軍アブネルはまとまった数の兵士を伴い南部の様子を伺いにギブオンにやってきました。南軍のヨアブ将軍も同じような目的で北上しギブオンの池で鉢合わせしました。(13節)

 アブネルの軍人とヨアブの軍人は同じイスラエル人で、この時点で強い敵意や怨念はなかったと思います。ですから軽いノリで、若い者を出して相撲の試合のようなものをしようという話になったのでしょう。戦ううちに、敵意が芽生え、最後には剣を抜いての殺し合いになり、これが戦いのきっかけとなり両軍の全面対決になってしまいました。アブネル軍は360人が亡くなり、ヨアブ軍は19人の死亡という結果になりました。(30~31節)

ヨアブの弟で足の速いアサエルがアブネルに殺された事情が詳しく書かれています(17~23節)。それは、将軍ヨアブの心に芽生えた復讐心がこの後の戦いに強く影響したと言いたいのです。ヨアブは豪胆、冷徹、非情な人間になり、後にアブネル、ウリヤ、アブシャロムなどを殺すことになります。ダビデは、こうした人物のかじ取りをしながら国造りをしなければならないのです。

 ダビデは、ヨアブのように暴力で物事を解決する方法を願わず、約束を守り時間をかけて信頼を勝ち取り神中心の国造りをしようと務めたのでした。

 

 □環境が大きく変わる時、主の導きを求めよう
 □全国統一したいなら辛抱強く待つ
 □権力や暴力によらず、信望を得る努力を

2026年8月2日日曜日

第二サムエル1:1~27 勇士たちは倒れ

「サウルが死んだとき」(第二サムエル1:1)

 ダビデの命を狙って追い回していたサウル王が死にました。

 私たちの人生にも、第一サムエルと第二サムエルがあります。

 サウルに似た先輩や上司や義理の母に悩まされる時がありますが、それがあなたの第一サムエルです。
 サウルのような人が亡くなったり去ったりすると、あなたが王になります。それがあなたの第二サムエルです。その時、あなたは自由で安心ですが、あなたの態度、あなたの雰囲気、あなたの言動がすべて自分に跳ね返って来ることになります。

 ダビデは彼に言った。「状況はどうか。話してくれ。」彼は言った。「兵たちは戦場から逃げ、しかも兵たちの多くの者が倒れて死にました。それに、サウルも、その子ヨナタンも死にました。」(第二サムエル1:4)

 戦場からやって来た若者から戦いの結果を聞きました。イスラエルが負けたことが分かりました。サウルは瀕死の重傷になり、殺してくれと頼まれた若者が息の根を止め、サウルの王冠と腕輪を持って来たというのです。「主に油注がれた方」(14、16節)を殺害した理由でその若者は処罰されました。

 ダビデはサウル王の死を聞き、衣を引き裂き、泣きました。部下も同じ態度で悲しみました。

 17~27節にはダビデの哀歌が記録されています。これは、ダビデが催した国葬に近い位置づけだったのでしょう。哀歌のタイトルは「弓」です。ヨナタンが弓を放ってダビデに逃げろと指示した涙の場面が暗示される題です。

「サウルもヨナタンも、愛される、立派な人だった。生きているときも死ぬときも、二人は離れることはなく、鷲よりも速く、雄獅子よりも強かった。」(第二サムエル1:23)

  ダビデは、サウルとヨナタンを「愛される」、「立派な人」(23節)と評価しました。サウルとヨナタンの遺影の縁を金で飾ったと同じ意味です。

 「勇士たちは倒れた」(19、25、27節)とダビデは3度繰り返しました。サウルとヨナタンの最も輝いた勇士の姿として記憶に留めたかったのでしょう。ヨナタンの戦い方(22節)、サウルの活躍(22節)、鷲や雄獅子のような二人の強さ(23節)、国民に祝福を与えたサウルの功績などを(24節)称えました。

 ヨナタンとの友情は何よりも大きな励ましであり深い絆だったと語りまし。(26節)

あなたの番です。あなたは新しい王であり、あなたの第二サムエルが始まっています。あなたの国民とは誰ですか。何をしてあなたの国民を幸せにしますか。

 □あなたの第二サムエルが始まった
 □亡くなった人に哀悼の意を表し、前任者の功績を称賛しよう
 □あなたは新しい王です、あなたの国民を幸せにしましょう

2026年7月26日日曜日

第一サムエル31:1~13 夜通し歩いて

「さて、ペリシテ人はイスラエルと戦った。イスラエルの人々はペリシテ人の前から逃げ、ギルボア山で刺されて倒れた。」(第一サムエル31:1)

 ペリシテ軍はイズレエル平原を戦場に選び、大軍を集結させ、海岸側から攻めていきました。イスラエル軍はペリシテ軍に回り込まれないように山を背にして守りに徹しました。

 ペリシテ軍は堂々とした押し相撲で東に進み、イスラエル軍は防戦できず、ギルボア山の頂上付近まで追い詰められました。ヨナタンを含むサウルの息子三人が亡くなりました。(2節)

 「攻撃はサウルに集中し、射手たちが彼を狙い撃ちにしたので、彼は射手たちのゆえにひどい傷を負った。」(3節)

 サウル王は体に何本も弓を受けて瀕死の状態になり、自分の剣の上に倒れ込み自害しました。(4節)

 祭司サムエルが亡くなった時、「全イスラエルは彼のために悼み悲しみ」(第一サムエル28:3)と記録されていますが、サウル王の場合は国民の悼み悲しむ姿は見当たりません。

 遠く南部の町ツィクラグにいたダビデがサウル王に剣を抜く必要がなかった事は何よりも大きな主のあわれみでした。

 あなたの番です。あなたの人生で受けた主のあわれみは何ですか。静かに感謝しましょう。

 戦いの翌日、ペリシテ人はサウルの遺体を発見、彼の武具は帰還した折にアシュタロテの宮に奉納しました。遺体については、首と遺体は戦場に近いベテ・シャンの城壁にさらしました。

 「ヤベシュ・ギルアデの住民は、ペリシテ人がサウルに行った仕打ちを聞いた。そこで勇士たちはみな立ち上がり、夜通し歩いて行き、サウルの死体と息子たちの死体をベテ・シャンの城壁から取り下ろし、ヤベシュに帰って来て、そこでそれらを焼いた。彼らはその骨を取って、ヤベシュにあるタマリスクの木の下に葬り、七日間、断食した。」(第一サムエル31:11~13)

 第一サムエルの最後のシーンは、サウル王に深い恩を感じていたヤベシュ・ギルアデの人々による勇気ある行為と心を込めた埋葬の場面で終わります。サウルの勇気と信仰によりアンモン人から救われた事を忘れなかったのです。

 サウルの死に際して、聖書はサウルの愚かさや破滅の理由を述べません。むしろ、ヤベシュの人々の行為を通して、サウルが一番輝いた瞬間に光を当てています。

 神のフォトアルバムには私たちが最も輝いていた時の写真が飾られているのかもしれません。主はあわれみはつきないのです。

 □ダビデは主に油注がれた者を殺害せずにすみました
 □ヤベシュの人のように、受けた恩を感謝しよう
 □あなたが輝いた一コマは、誰かの心に必ず刻まれる 

2026年7月19日日曜日

第一サムエル30:1~31 大変な苦境   

ダビデは3日かけて北部から南部の町ツィケラグに戻りました。ところが町は焼き払われた後でした。アマレク人に襲われ、妻や子供たちは誰一人いませんでした。男たちもダビデも泣きました。(第一サムエル30:1~4)

 ダビデは大変な苦境に立たされた。兵がみな、自分たちの息子、娘たちのことで心を悩ませ、ダビデを石で打ち殺そうと言い出したからだった。しかし、ダビデは自分の神、主によって奮い立った。(第一サムエル30:6)

 混乱した兵士たちはダビデを逆恨みしてダビデを殺そうとしました。けれどもダビデは兵士たちを敵とみなしません。兵士たちへの対処や命乞いではなく、どうしたら家族を救い出せるかに焦点を当てました。ダビデが素晴らしいリーダーであることがこの姿勢で分かります。

 1年4か月間、ダビデの意識から消えていた「主」がここで久しぶりに現れました。(6、8、23、26節) ダビデに「自分の神」という意識が戻りました。復讐心で怒りが爆発したのではなく、主から頂いた勇気と希望によって心が奮い立ったのです。

 あなたの心よ、主によって奮い立て!

 困難な状況で、追いかけようとする原動力は何でしょう。主を見上げることです。主への信頼です。主の導きを知ることです。主から励まされることです。ダビデは祭司を通じて主のみこころを尋ねました。

 ダビデは主に伺った。「あの略奪隊を追うべきでしょうか。追いつけるでしょうか。」すると、お答えになった。「追え。必ず追いつくことができる。必ず救い出すことができる。」(8節)

 主は応援団となって声をかけて下さいました。

 あなたの番です。
 追いつくことは難しいと思う事が目の前にありますか。主の導きを求めましょう。主はあなたにも、必ず追いつくことができると言って下さいます。

 疲れた体に鞭打ち、ダビデたちは南下しました。ベソル川は珍しく増水していて、200人はその手前で脱落しました。400人でアマレク人を追うと、エジプト人奴隷を発見しました。彼の道案内で敵を見つけるとお祭り騒ぎの真最中でした。夕暮れに急襲し、妻や子供や財産を取り戻せました。大量の戦利品も持ち帰ることができました。(9~20節)

 その戦利品はヘブロンを含むユダの町々に届け、イスラエルに帰還する布石を打ちました。ダビデは後に、ヘブロンで7年間王となります。(第二サムエル5:5)

 ダビデは、疲れて戦えなかった者にも分け前を与えるという公平で寛容な方針を打ち出しました。(23~25節)川の手前で力尽きた仲間をいたわったのです。

 「ダビデは自分の神、主によって奮い立った。」

 □試練の中で目覚める信仰
 □主によって奮い立て
 □必ず追いつける

2026年7月12日日曜日

第一サムエル29:1~11 穏やかに帰れ

ペリシテ人はイスラエルを徹底的にたたくと決め、大軍を北部の平原に集めました。アキシュ王はダビデに警護を依頼しました。(第一サムエル28:1~2)

 ダビデには以下の3つの選択肢があり、決めかねていたようです。①イスラエル人と戦い殺害する。②親切にしてくれたアキシュ王の首をはねる。③戦場から逃げ出す。戦いの前日、ペリシテの領主たちがダビデに気づき、アキシュに抗議しました。

 
「この男を帰らせてほしい。あなたが指定した場所に帰し、私たちと一緒に戦いに行かせないでほしい。戦いの最中に、われわれに敵対する者となってはいけない。この男は、どのようにして自分の主君の好意を得るだろうか。ここにいる人たちの首を使わないだろうか。」(第一サムエル29:4)

 アキシュは3節のようにダビデを弁護しましたが領主たちは納得しません。アキシュが渋々了承すると、ダビデは怒った上で承諾、決戦の日の早朝、部下を連れて帰還しました。(8~11節)アキシュはダビデの機嫌を取るようにして言いました。「穏やかに帰ってくれ」(7節)ダビデは内心ほっとしたはずです。

 第4の道があったのです。神のあわれみが鮮やかに注がれたのです。「彼はわれわれと一緒に戦いに行ってはならない」(9節)はペリシテ領主たちの言葉ですが、神がダビデに直接警告しているかのように聞こえます。ダビデよ、あなたはペリシテ側で戦う者ではない、主の戦いを戦うのだと。ダビデは神のあわれみに気づいていたでしょうか。

 嘘をつき、残虐な行為を隠れてしていたダビデでしたが、そんなダビデにも主のあわれみが現わされました。

 罪深いあなた、信仰レベルが下がっているあなた、弱り果てているあなた、そんな人にこそ神のあわれみが降り注ぐのです。「主のあわれみが尽きないからだ。それは朝ごとに新しい」(哀歌3:22~23)

 そこでアキシュはダビデを呼んで言った。「主は生きておられる。あなたは真っ直ぐな人だ。あなたには陣営で、私と行動をともにしてもらいたかった」(6節)

 3、6、9節でアキシュはダビデの正しさを繰り返し述べています。ダゴンの神の礼拝者アキシュ王が「主は生きておられる」と主の名をたたえ、ダビデを「真っ直ぐな人だ」と言いました。残虐行為を繰り返し、アキシュを騙していたダビデなのにアキシュはダビデが正しいと認めたのです。

 罪人を正しいと宣言する。これは新約聖書における「義認」の構図にそっくりです。神は、私たち罪人をキリストの十字架でおおって正しいと認めて下さいます。ダビデはアキシュの言葉を聞き、恥じ入り、心を痛めたことでしょう。

 「主が私に救いの衣を着せ、正義の外套を着せ」(イザヤ61:10)

 神のあわれみは、私たち罪人に注がれています。

□神のあわれみは罪びとの上に
□正しいと神が宣言して下さる
□神のあわれみに感謝しよう


第二サムエル2:1~27 王国の分裂

この後、ダビデは主に伺った。「ユダの町のどれか一つへ上って行くべきでしょうか。」主は彼に「上って行け」と言われた。ダビデは、「どこに上ればよいでしょうか」と聞いた。主は「ヘブロンに」と言われた。(第二サムエル2:1)   サウル王が亡くなりダビデを取り巻く環境が激変したので、...