1、成功は誘惑を連れて来る
ヨセフはポティファルの家の管理者に登用されました。奴隷としては最高位となる昇進で、喜ぶべきことですが、成功は誘惑を連れてきました。「体格も良く、顔立ちも美しかった」(6節)とあるように、ヨセフはハンサムで若く仕事ができたので、主人の妻が目をつけたのです。彼女は毎日のように「一緒に寝ましょう」(創世記39:7)と言い寄ってきました。
成功は誘惑を連れてきます。ヨセフの場合は、厳密に言うとパワーハラスメントとセクシュアルハラスメントでした。
あなたは、今、何かの誘惑にさらされていますか。会社や他人のお金を盗む誘惑かもしれません。性的な誘惑もあります。嘘をついたりや不正をして有名になる誘惑もあります。
2、神の前で見つめる
ヨセフは主人の妻の求めをはっきりと拒絶し、8〜9節のように理由を説明しました。第一の理由は、職業倫理に反する。第二は、主人の信頼を裏切る行為。第三は、神に対して罪になる。特に、「神に対して罪を犯す」(9節)という視点はとても大切です。
誘惑を受けると誘惑の魔力に引き込まれ落ち着いた判断ができなくなり、相対的な価値判断にすり替えてしまいます。本来は正義か悪かの問題なのに、自分に利益になるかならないかという物差しを使ってしまいます。あるいは、人に好かれるか、嫌われるかの物差しで判断することになります。誘惑を受けた時、それを神の前に持って行きましょう。ヨセフのようにすれば、神に対する罪になるか、ならないか、つまり絶対的な価値判断ができるのです。たとえ主人の妻の命令であっても断ることができるのです。
3、逃げるのは恥ではない
ある朝、ヨセフが仕事をしようとすると、家の中から人影がありません。おそらく、主人の妻が何かの理由をつけて完全な人払いを行った末に物陰に隠れ、いきなりヨセフに抱きついたのでしょう。彼女がヨセフの上着を脱がせたにかかったのだと思います。
「彼が上着を彼女の手に残して外に逃げた」(13節)とあります。ヨセフは躊躇せずその場を離れました。逃げることは、カッコ良いことではありませんが、この場合は正解です。
あなたも、逃げてください。誘惑が強すぎるなら、逃げましょう。学校も転校しましょう。会社は辞めましょう。引っ越しましょう。逃げれば、やり直しができるのです。
妻が夫にヨセフの上着を見せて事件の説明をすると、ポティファルはヨセフを捕らえて牢に入れました。不思議なことに主人は奴隷ヨセフを殺しませんでした。もしかしたら、ポティファルは妻の証言に不自然さを感じたのかもしれません。これでヨセフは命を二度救われたことになりました。最悪に見えるときにも、主の守りがあったのです。逃げることは恥ではありません、脱出の道への避難口なのです。
◯成功は誘惑を連れて来る
◯判断は主の前でする
◯逃げて生き延びましょう