2022年9月11日日曜日

創世記39:1~6 

 若者は家族から離れて孤独を味わい、社会の荒波にもまれて成長します。今日の聖書箇所はヨセフの成長ドラマです。

一方、ヨセフはエジプトへ連れて行かれた。ファラオの廷臣で侍従長のポティファルという一人のエジプト人が、ヨセフを連れ下ったイシュマエル人の手からヨセフを買い取った。(創世記39:1)

 ヨセフはポティファルに買い取られました。ポティファルとはエジプト王ファラオの側近中の側近で、おそらく御殿のような家に住んでいたことでしょう。金持ちは、家の格式にふさわしい奴隷を所有したいという見栄があります。ヨセフは、「体格も良く、顔だちも美しかった」(6節)ことが幸いして、ポティファルの家で働くことになりました。

 あなたが若者で派遣会社を通じて仕事を探してもらったとします。紹介された先が古ぼけた町工場の季節労働だったらどうでしょう。あるいは、トヨタの研究室の正社員として雇ってくれるとしたらあなたの労働意欲はどうなるでしょう。ヨセフの職場は、エジプトの首都の大豪邸でした。ここで働けると分かったヨセフは目の色を変えたことでしょう。

主がヨセフとともにおられたので、彼は成功する者となり、そのエジプト人の主人の家に住んだ。彼の主人は、主が彼とともにおられ、主が彼のすることすべてを彼に成功させてくださるのを見た。(創世記39:2~3)

今日の箇所は若者の成長物語でありながら、ヨセフの苦労話がひとつも書かれていません。エジプトの言葉は一つも分からないし、何の経験も特技もないヨセフでしたが、すべてが順調に進み、気づいたら屋敷のすべての管理を任されるまでになったと書いてあります。おそらくヨセフはこの時期の苦労話を他人にしなかったのでしょう。また、ヨセフの成功を人から評価されても、それは自分の努力ではなく主が共にいて下さったゆえだと語っていたからでしょう。

それでヨセフは主人の好意を得て、彼のそば近くで仕えることになった。主人は彼にその家を管理させ、自分の全財産を彼に委ねた。(創世記39:4)

主人ポティファルはヨセフの管理能力を高く評価しました。管理の本質とは、今、手にあるものを有効に用いることです。

ヨセフは与えられた仕事をきちんとこなしたことでしょう。さらに、どうしたら円滑に効果的にできるか創意工夫や努力をする。その結果、収穫、家畜、利益、所有物、貨幣や宝物などが増えていく。主人ポティファルはヨセフの管理のすばらしさに驚いたのです。また、主がヨセフと共にいることに気づいたと2節にありますが、ヨセフの信仰も主人に知られていたようです。主人は、自分の食べるものだけ考えればよく、その他、家の管理はヨセフに任せきりにしました。それほど信頼されたのです。

ヨセフが管理した分野は三つありました。

第一に仕事です。仕事への取組みについてはすでに触れました。エジプトの言語や文化を学びつつ、仕事に精力的に取り組みました。
 第二は、自分の心を管理しました。兄たちへの憎しみを引きずりませんでした。ひがまず、ねたまず、殻にこもりませんでした。自分が失ったものを悔やまず、与えられているものに取り組みました。

 第三は、人間関係の管理です。職場の上司や仲間と良好な人間関係を築かなかったら、ヨセフの昇進はありえません。実家にいたときの我がままや傲慢な態度でいたら、今度は間違いなく殺されていたでしょう。周囲の人に愛される人。ヨセフは、周囲の人に祝福を与える人になりました。

主人が彼にその家と全財産を管理させたときから、主はヨセフのゆえに、このエジプト人の家を祝福された。それで、主の祝福が、家や野にある全財産の上にあった。(創世記39:5)

□私もあなたも、成長物語の主人公です。
□あなたのいる場所はポティファルの豪邸です。
□今、与えられているものを生かしてみましょう。
□仕事に意欲的に取り組み、否定感情を引きずられず、周囲の人に祝福を届けましょう。

ヨハネ20:1~18 ラボニ

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