2024年2月18日日曜日

伝道者の書6章 人の満足とは 

 伝道者の書6章にはネガティブな雰囲気が漂っています。何をしても人生は空しく(2、9、11、12節)、満足は得られず(3、7節)、何が良いことなのか分からない(12節)と述べています。

 私たちの社会、仕事、人生をありのまま観察すると、確かに空しく、不平等です。その現実への対応は、暴力的な革命、体制への迎合、あるいは現実逃避などが考えられます。伝道者は、冷徹に現実を見つめ続けます。おそらく、何かの解決の糸口を見つけたいのでしょう。

<与えられた物を生かせない人>(1~6節) 

 「もし人が百人の子どもを持ち、多くの年月を生き、彼の年が多くなっても、彼が良き物に満足することなく、墓にも葬られなかったなら、私は言う。彼よりも死産の子のほうがましだと。」(伝道者の書6:3)

富と誉れを受けても、それを楽しむことができない人がいます。長生きして多くの子供に恵まれても、その子供たちはその父を葬ることすらしません。こんな事なら、生まれなかった赤ちゃんのほうが安らかだと、述べています。

 

<食べるために働くだけの人生>(7~9節)

「人の労苦はみな、自分の口のためである。しかし、その食欲は決して満たされない。」(6:7)

 働く理由は何でしょう。割り切って言うと、食べるために働いています。ただし、夕食を食べても次の日には空腹になり、食欲は満たされることがありません。そして、それに対応するように、心の満足も得られません。

 働くことを食べるための奴隷労働ととらえるのは止めましょう。多くのスキルや専門知識を獲得できて、人間関係の要を学べる人間成長の場であり、神から頂いた賜物を磨く場所だと考えるなら、お給料はボーナスのように感じられます。

<権力者の圧力>(10~12節)

「存在するようになったものは、すでにその名がつけられ、それが人間であることも知られている。その人は、自分より力のある者と言い争うことはできない。」(6:10)

存在しているものにはすべて名前が付けられています。名前が付けられた世界、すでに権力や秩序が作られた社会に私たちは生まれてきます。ですから力のある者と争っても空しいのです。

夕方、影が長く伸び始めると太陽はあっという間に沈みます。私たちの命は、その影のように早く過ぎ去るのです。

 6章を読み終え、静かに考えてみましょう。

 人生の後半の生き方はとっても大事です。神から与えられたギフトを独り占めして生かしきれないなら人生は空しくなります。与えられたギフトを誰かのため、社会のため、神のために用いれば良いのです。それが私たちの仕事とリンクするなら仕事に生きがいを感じることができます。お金、名声、家族、経験、人とのつながり、さまざまな賜物など神から頂いたものを生かし、与え、用いましょう。

 「なくなってしまう食べ物のためではなく、いつまでもなくならない、永遠のいのちに至る食べ物のために働きなさい。それは人の子が与える食べ物です。」(ヨハネ6:27)

 □神から与えられたなら、人生の後半の過ごし方を見直そう
 □なくならない食物のために働こう

ヨハネ20:1~18 ラボニ

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