そしてわたしが父にお願いすると、父はもう一人の助け主をお与えくださり、その助け主がいつまでも、あなたがたとともにいるようにしてくださいます。(ヨハネ14:16)
十二弟子は主イエスとの別れを意識し漠然とした不安を持っていました。それで主イエスは信頼できる「助け主」を送ると約束されたのです。
そのお方とは聖霊です。人格を持たれた三位一体の神です。主イエスと同等の役割を果たす方なので「もう一人の」と説明されました。
主イエスは十二弟子が弱いことを知っておられました。私たちも皆弱い者です。自分の経験や知識や頑張りや体力や財力では歯が立たない困難に直面した時、誰か力のある人にすがるしかありません。そんな時、私たちは聖霊に頼れるのです。
ここで聖霊のことを主イエスは「助け主」(パラクレイトス)と呼ばれました。パラという接頭辞は、そばに、かたわらにという意味です。聖霊は私たちのそばに「いつまでも」(16節)おられ、決して離れずに共にいて下さるだけでなく「あなたがたのうちに」(17節)おられる方です。
この方は真理の御霊です。世はこの方を見ることも知ることもないので、受け入れることができません。あなたがたは、この方を知っています。この方はあなたがたとともにおられ、また、あなたがたのうちにおられるようになるのです。(17節)
御霊は真理の御霊です。私たちに必要な神のみこころの中心を鮮やかに示して下さいます。
また、私たちの人生の分岐点でどちらを選んだら良いか迷う時に、みこころにかなう方向を示して下さいます。
ヨハネの福音書の基本的枠組みは論理的です。主イエスが救い主であることを7つの奇跡で説明してきたアウトラインからもそれは分かります。けれども、主イエスの涙を記述し、主イエスと弟子たちの心の動きを語り、人々の内面にまで迫る面を持っています。
まるでクラシック音楽のように中心メロディーが演奏されその模倣や追いかけっこが起きメロディーが変化発展して再び主題が繰り返されるように、繰り返しの多用により大切な真理が私たちの心深くに刻まれていきます。
父なる神という栄光あるメロディーに子なる神イエスさまの謙虚で清らかなメロディーがからまり、助け主の聖霊という優しい和音が加わって三位一体の音楽が奏でられ、それに私たちが入れて頂くのです。その事をイエスさまが説明されたのが23節です。
イエスは彼に答えられた。「だれでもわたしを愛する人は、わたしのことばを守ります。そうすれば、わたしの父はその人を愛し、わたしたちはその人のところに来て、その人とともに住みます。」(23節)
私たちが袋小路に迷い、自分の愚かさと無力さに失望した時に御霊なる神、パラクレイトスがヘルパー、カウンセラー、弁護者として私たちを守り導いて下さいます。御霊の語り掛けに耳を傾けましょう。必ず助けて下さいます。
□静かな心で御霊の声を聞こう
□御霊は私のうちにおられる
□私は、父と子と聖霊の交わりに入れられている