2021年9月26日日曜日

詩篇20篇

 「神さま助けて下さい」と神に訴えるのが今までの詩篇のパターンでした。20篇はちょっと違います。誰かから、誰かへの励ましの言葉になっています。

1、2、3、4、5節を見ると、「あなた」への言葉だと分かります。この「あなた」が誰かは最初は説明していませんが、とても大切で身近な人だということは分かります。語っている主体は「私たち」(5節)です。「あなた」のために祈って来たことを前提に、「私たち」が「あなた」の面前に立ち、「あなた」を励ましている構図がイメージできます。

「苦難の日に主があなたにお答えになりますように。
 ヤコブの神の御名があなたを高く上げますように。」(1節)

 1~2節でまず、苦難の日に主が「あなた」を助けてくれるように、大きな苦しみから助け出して下さるようにと願っています。「ヤコブの神」という表現は詩篇で初めての登場です。ヤコブの神は、わがままなヤコブを見捨てない方、あわれみ深い神を意味します。低い場所で我慢を強いられている「あなた」を神に引き上げてもらいたいのです。
 あなたの家族や友人で苦しんでいる人がいるかもしれません。その人が苦難から解放されるようにヤコブの神に願いましょう。

 「あなたの全焼のささげ物を受け入れてくださいますように。」(3節)
 第二に、ささげ物が主に受け入れられるように願っています。神との関係が健全でなければささげ物を受け入れてもらえません。私たちが誰かのために祈る時、その人が霊的に良い状態でいられるように祈るのはとりなしの祈りの要です。

 「あなたの心の望みを主がかなえてくださいますように」(4節)
 第三に、その人の希望がかなえられるように、勝利をつかめるようにと祈っています。誰かの夢や幸せを後押しするのがとりなしの祈りです。

 子供が入学試験を受ける朝、この詩篇と同じような気持ちになって玄関で送り出すことがあります。あなたの望みがかないますようにと。

 「私たちは、あなたの勝利を喜び歌い、
 私たちの神の御名により旗を高く掲げます。」(5節)
とりなしの祈りを続けた支援者たちは、まだ祈りがかなう前から勝利を先取りしています。

 とりなしの祈りはまるで登山のようです。見晴らしの悪い森を進んだり、険しい崖を上ったりしながらとりなしを続けます。とりなしの祈りを続けた人だけが、頂上にたどり着き、素晴らしい景色を見られるのです。
 

「今私は知る。主が主に油注がれた者を救ってくださることを。」(6節)

祈られていた「あなた」が6節になって初めて発言します。とりなしの祈りの応援を受け、励ましの言葉をもらったので、神の御力による勝利を確信しました。主に油注がれた事実に目と留め、主から受けた使命を全うする決意です。

「ある者は戦車をある者は馬を求める。
 しかし私たちは私たちの神主の御名を呼び求める。」(7節)

戦車や馬とは当時の武力ですが、武力でなく主に信頼すると王が述べています。この宣言は信仰告白そのものです。

「主よ王をお救いください。私たちが呼ぶときに答えてください。」(9節)

最後になって「あなた」が王であることが分かりました。勢力にまさる敵軍に立ち向かう出陣式で、大祭司が民を代表して王に励ましの言葉を送り、皆で祈った時の詩篇が20篇だと思われます。

あなたの生活に大きな影響を与える「王」のような存在があるかもしれません。その「王」のため心を注いで祈りましょう。三種のとりなしをしましょう。

<今日のまとめ>
□身近な「あなた」「王」のため祈りましょう

□①苦難からの救い、②主との関係、③望みの実現のため、とりなそう

□戦車や馬でなく、主に頼りましょう

2021年9月19日日曜日

詩篇19篇

 神を知るための本が二冊あります。一つは自然で(1~6節)、もう一つは聖書です。(7~10節)そして、神の言葉に導かれる人は謙虚に歩めます。(11~14節) 

 

「天は神の栄光を語り告げ大空は御手のわざを告げ知らせる。
昼は昼へ話を伝え夜は夜へ知識を示す。

話しもせず語りもせずその声も聞こえない。」(1~3節)

空を見上げて神を思う詩篇はとても珍しい。大空そして神が作られた自然は、神の栄光を毎日毎晩語っています。意識を持って自然を見たりその賛美を聞こうとするなら心でそれが分かってきます。でもその声は普通は聞こえません。ローマ1:20でパウロが説明したように、自然は神の存在、神の知恵が深いこと、神が偉大な力を持っておられることを教えてくれます。

太陽は結婚式の花婿のようだと言われています。喜び輝きながら天の道を走っています。被造物の生き方の模範が太陽の姿なのです。神に造られたことを感謝し喜び、周囲を照らし温めています。私たちも小さな太陽になって周囲を照らしましょう。

 

「主のおしえは完全でたましいを生き返らせ
主の証しは確かで浅はかな者を賢くする。

主の戒めは真っ直ぐで人の心を喜ばせ
主の仰せは清らかで人の目を明るくする。」(7~8節)

神の愛と励ましと救いを知るには聖書を読む必要があります。7~10節では、神のことばの素晴らしさと、それによって人がどのような益を受けるかが書いてあります。

人間の言葉はどぶ川のようなもので、神の言葉は高い山の清流です。人間の言葉は、あてにできないし、嘘があるし、私たちの心を傷つけます。けれども神の言葉は、完全、確か、まっすぐ、清らか、変わらない真理で信頼できます。神の言葉によって、私たちの魂は回復し、賢くなり、喜びが生まれ、希望で輝きます。金より尊く、蜜よりも甘いのです。
 神の言葉を毎朝大切に読んでいきましょう。

 

「あなたのしもべもそれらにより戒めを受け
それを守れば大きな報いがあります。

だれが自分の過ちを悟ることができるでしょう。
どうか隠れた罪から私を解き放ってください。」(11~12節)

 自分のことを「しもべ」と言っていますが、詩篇としては初登場の言い方です。神に仕えて生きたいという姿勢の表れですね。

神の言葉は蜜のように甘いだけでなく、時には苦かったり、鋭かったりします。それによって私たちは軌道修正ができます。自分の過ちに気づけるし、罪から解放してもらえます。傲慢から遠ざかり謙虚に生きることができ、神と人に仕えることができるのです。


<今日のまとめ>
□自然を見上げて創造主をたたえましょう

□神に造られたことを感謝し、私たちの走路を喜び歩みましょう

□素直に「ごめんなさい」を言って、謙虚に仕えましょう

2021年9月12日日曜日

詩篇18篇

 詩篇18篇のテーマは神の力です。
 圧倒的な力です。長大な18篇の全部が第二サムエル22章にも引用されています。歴史的順序としてはダビデの晩年の部分に入れられていますが、主に救出された喜び、王とされた謙虚な姿勢などの内容から若い時期の詩篇ではと私は推測しています。その姿勢がダビデの生涯を貫いていました。


 18篇の内容を要約します。1~3節は結論であり信仰告白です。ダビデは比喩的に言えば大きな川でおぼれそうな状態で、主に助けを求めました。(4~6節)神は火山の噴火のように敵を怒り、黒雲と大風と稲光と雷鳴を伴って助けに来て下さいました。(7~15節)神は手を伸ばしてダビデを水の中から救出し広い所に立たせて下さいました。(16~19節)ダビデは神な真実さをたたえました。(20~30節)ダビデは気づいたのです試練の中で神から力を付与されていたことを。(31~42節)外国の侵略に打ち勝ち、国に平和をもたらし、ダビデは王とされたことを感謝しました。(43~45節)神は生きておられる、ダビデにとって岩なるお方です。(46~50節)

 

1、神を愛す

「わが力なる主よ。私はあなたを慕います。」(1節)

神の偉大な力を経験したダビデは、私をもっと強くして下さいと願わず、神を愛しますと冒頭で告白しました。英語の聖書ではI love youと訳しています。
 神の偉大な力は、私を愛すために用いられたとダビデは悟ったので、応答として、私も神を愛しますと言ったのです。あなたも祈りの中で神を愛しますと言いましょう。申命記6:5にあるように、神を愛すことは人として最も大切なことなのです。

 

2、自分の言葉にして賛美する

 「主はわが巌わが砦わが救い主身を避けるわが岩わが神。わが盾わが救いの角わがやぐら。ほめたたえられる方。この主を呼び求めると私は敵から救われる。」(2~3節)

ダビデは自分らしい言葉を用いて神をたたえました。神は私にとって大きな岩であり砦であり盾であると感じたのです。ダビデは神の力の大きさに驚き、感激しています。

 

3、力の背後に気づく

「神その道は完全。主のことばは純粋。主はすべて主に身を避ける者の盾。」(30節)

神はダビデの窮状を見て、ご自分のようにお怒りになり天から下って来られました。ダビデへの共感の強さに驚きます。ダビデはどれほど慰められたことでしょう。神の力の背後には愛があります。また、神の誠実さ、約束を守る純粋さがあります。だから、私たち人間が百%の信頼を寄せてよいのです。

 

4、力を帯びさせて下さる神

「神は私に力を帯びさせ私の道を全きものとされます。主は私の足を雌鹿のようにし高い所に立たせてくださいます。戦いのために私の手を鍛え腕が青銅の弓も引けるようにしてくださいます。」(32~34節)

困難と苦しみの中でダビデが気づいたことがありました。私は強くされた。神が私に力を帯びさせて下さった。急な崖を上る鹿のような力と勇気をもらった。青銅の弓を引ける勇者に変えられた。「主は生きておられる」(46節)助けてくれたあの時も、今も、将来もずっと、力ある主は共にいて下さる。

 

<今日のまとめ>

     力なる神をたたえ、神を心から愛そう。

     試練の中で私を鍛えたもう主をたたえよう。

ヨハネ20:1~18 ラボニ

 「だれかが墓から主を取って行きました。どこに主を置いたのか、私たちには分かりません。」(ヨハネ20:2)   マグダラとはガリラヤ湖西岸の町の名で、ティベリアの北にあります。マグダラのマリアは、ルカ8:2によると7つの悪霊を追い出して病気を癒してもらった人で、マタイ27...