2021年12月12日日曜日

詩篇31篇

 詩篇31篇は、ダビデの心がジェットコースターのように揺れる詩篇です。

 1~4節では、119番に電話しているように取り乱し、「急いで救い出してください」(2節)と叫んでいます。5~8節は少し落ち着いて、「私のたましいの苦しみをご存じです。」(7節)と安堵しています。

 9~13節を読むと、ダビデが急激に悩みに襲われ、自分を失っていることが分かります。最初に心と体の悩みがやって来ました。「私をあわれんでください。主よ。私は苦しんでいるのです。私の目は苦悶で衰え果てました。私のたましいも私のからだも。」(9節)

魂の悩みが深いと体に影響が出るものです。頭痛、胃の痛み、消化不良、発熱、背中や肩の痛みが出たり、持病が再発したりします。体の不調は心の不安を広げます。10節にあるように、ダビデは悲しみ、嘆き、体の衰え、骨の痛みを感じていました。

追い打ちをかけるのが人間関係の葛藤です。「敵対するすべての者から私はそしられました。わけても私の隣人から。知り合いには恐れられ外で私を見る者は私を避けて離れ去ります。」(11節)敵の<すべての者>が悪口を言っているはずはありませんが、心が弱った人は最悪ばかりに目が行きます。親しい友達からも見捨てられ、誰もが私を避けていると感じてしまうのも人間関係に疲れた人の症状です。

そんな状態になると、自分に価値がないと感じます。「死人のように私は人の心から忘れられ壊れた器のようになりました。」(12節)セルフイメージが極端に悪くなり、誰の役にも立っていないと勘違いします。

 心、健康、人間関係、セルフイメージは連動しており、どれか一つの悩みがひどくなると4つ全体に波及します。だとすると、どこか一つが立ち直れば全部が良くなる可能性があります。14節から22節にそのヒントが書いてあります。

「しかし主よ私はあなたに信頼します。私は告白します。『あなたこそ私の神です。』私の時は御手の中にあります。私を救い出してください。敵の手から追い迫る者の手から。」(14~15節)

ダビデは「あなたこそ私の神です」とはっきり告白しました。主への信頼を口に出す。それが悩みに立ち向かう第一歩です。次は、悩みも自分自身も全部主の手に乗せることです。「私の時は御手の中に」あるので、自分のタイミングではなく神の時に任せ、解決方法も神の方法にゆだねるのです。

19節で「あなたのいつくしみ」が大きいことに目を留めています。人間関係で傷つき、自分は価値がないと感じていても、神はそのままの私を愛しておられると気づくと大きな励ましになります。20節では対人関係の悩み、「人のそしり」「舌の争い」から主が守って下さることが分かります。22節では、ぐらぐら心が揺れて神から断ち切られたと勝手に思い込んだ自分を客観視できるようになっています。

最後に、23~24節でダビデは身近な人を励まし、主を愛し心を強くして主を待ち望むようにと応援メッセージを送っています。

□混乱したり安心したり、ぐらつくのが人間です。
 □心、体、人間関係、セルフイメージが人の主な悩みで、相互に連動しています。

 □「主こそ私の神」と告白し、主に任せ、主のいつくしみに目を留めましょう。

ヨハネ20:1~18 ラボニ

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