またキリストにあって、私たちは御国を受け継ぐ者となりました。
すべてをみこころによる計画のままに行う方の目的にしたがい、
あらかじめそのように定められていたのです。(エペソ1:11)
今回の霊的祝福は、「御国を受け継ぐ」です。
御国を受け継ぐという事は実感として分かりにくい内容です。けれども、「キリストにあって」とあるように、この祝福を私たちに授けるためにキリストが深く関わって下さったことが分かります。
「すべてのみこころ」「計画」「目的」とあるように同種の言葉を三つも重ねて強調し、どうしても御国を受け継がせたいという父なる神のお考えを明らかにしています。
「御国を受け継ぐ」という言葉は原文で一つの単語クレーローです。直訳すると「選ばれた」になり、聖書全体から考えるなら「くじを引いて土地を与えられた」という意味になります。クレーローから派生した名詞はクレロノミアで相続財産、また、クレノモスは相続者と訳されています。
旧約聖書において、イスラエルの民が神から土地を与えられるという事は最大級の祝福でした。
「これが、あなたがたがくじを引いて相続地とする地である。」(民数記34:13)
「割り当て地は定まりました。私の好む所に。実にすばらしい、私へのゆずりの地です。」(詩篇16:6)
神から頂いた土地は、いわば神の国です。イスラエルの人々が安心して自由に暮らせる生活の土台でした。神の守りがあり、神のお考えが人々に浸透した空間です。<国>というものは目に見えませんが、私たちの生活に無くてはならない大事な基本環境なのです。
旧約時代の約束の土地の概念は、新約聖書において神の国になりました。主イエスは神の国について何度も語られました。パウロの今日の言葉も主イエスの教えを土台にしています。
「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだからです。」(マタイ5:3)
「御国が来ますように。」(マタイ6:10)
「まず神の国と神の義を求めなさい。」(マタイ6:33)
父なる神が私たちを子にしようと決めておられましたが、その目的は神の国を引き継がせ、神のすべての財産を子供たちに与えるためでした。
「ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神による相続人です。」(ガラテヤ4:7)
私たちが主イエスを信じたことにより、私たちの内側から神の国が始まっています。
「見なさい。神の国はあなたがたのただ中にあるのです。」(ルカ7:21)
つまり、すでに御国の一部を受け継いでいるのです。その結果、罪が赦された平安、主イエスから頂いた希望、神に愛されている喜び、これらが私たちの基本環境として整えられ、私たちはその空間で主に守られながら幸いな心で生かされているのです。
「また、朽ちることも、汚れることも、消えて行くこともない資産を受け継ぐようにしてくださいました。これらは、あなたがたのために天に蓄えられています。」(第一ペテロ1:4) 私たちの知らない霊的財産がたくさん天に蓄えられています。
自分の国が侵略された人々は、目に見えなかった国というものがいかに大切なものだったかを痛感します。国は、自由や平和や基本的人権を保障してくれる基本環境だったのです。
主イエスを信じる私たちは、父なる神が与えて下さった<神の国>という霊的祝福の中に置かれています。今も神に守られているのです。神の国の市民権を持つ者として生活し神の国を広げることを心がけましょう。天に蓄えられている祝福を明日の励みとしましょう。
「さあ、わたしの父に祝福された人たち。世の基が据えられたときから、あなたがたのために備えられていた御国を受け継ぎなさい。」(マタイ25:34)
□キリストにより、素晴らしい相続地をすでにもらっています
□まだ見ぬ祝福が未来に待っています
□主に与えられた御国という基本環境を感謝しましょう