2022年10月16日日曜日

創世記41:33~45

 1、対策を立てる人、ヨセフ

ですから、今、ファラオは、さとくて知恵のある人を見つけ、その者をエジプトの地の上に置かれますように。(創世記41:33)

 ヨセフはファラオの夢を聞いてその意味を適格に解き明かし、7年の豊作が来た後に7年間の凶作が続くと述べました。

ヨセフは33~36節でとても具体的な対応策を提案しました。将来の傾向が分かったら、対策を練り実行に移す。それがヨセフの優れた点です。

 ヨセフの提案をまとめるとこうなります。最高責任者を置く。(33節)各地に監督者を配置する。(34節)豊作の7年間に収穫の五分の一を税金として民から徴収する。(34節)これは通常の二倍の税金になりますが、凶作の7年間を生き抜くための国家備蓄になります。

 食料貯蔵の専任者が全国規模のビジョンと計画を作り、組織系統で直結した地方担当者が実行する行政システムはとても効果的です。また、五分の一と税率を固定することで事務手続きが簡略化されます。地域ごとに穀物がが備蓄されるので、凶作の時は地域ごとに配布できます。

 ご存じのように虫歯は放置すれば必ず悪化します。あなたの歯が痛んだら、痛み止めを飲みますか、歯医者の予約を入れますか。対策と実行は未来を変えます。

今見えているあなたの未来はどんな未来ですか。雨が降りそうな未来なら、あなたなりの傘を用意しましょう。晴れそうならテントを持ってキャンプに行きましょう。

対策を立てて実行するヨセフを模範にしましょう。あなたは将来に対して何を備えますか。

 

2、神の霊が宿る人、ヨセフ

 そこで、ファラオは家臣たちに言った。「神の霊が宿っているこのような人が、ほかに見つかるだろうか。」(41:38)

 ファラオは、ヨセフの夢の解き明かしと対策を聞いて、「賢い人物だ」「切れ者だ」と言わずに、「神の霊が宿っている」(38~39節)人物だと評しました。なぜでしょう。

 ヨセフから醸し出される雰囲気は、頭脳明晰で冷徹なコンサルタントという感じではなく、商機到来として私利私欲に走る商人気質でもなく、公正無私で国民の利益を最優先する公僕の模範と見えたのでしょう。また、きよさ、謙虚さ、穏やかさという品格が自然とただよっていたのでしょう。ファラオはヨセフを見て、神に信頼し神に守られている人だと直感したのでしょう。それで、神の霊の宿った人と述べたのでしょう。

 46節を見ると、ヨセフはこの時30歳。奴隷に売られたのが17歳(37:2)。つまり、ポティファルの家で11年間働き、直近の2年間は牢獄にいたのです。13年間の下積み生活は、一つも無駄ではなかったのです。

ポティファルの家では、お金、穀物、家畜、売り買い、建物などのすべての管理の仕事に携わりました。牢獄の2年間では、人に仕える仕事、つまりサービス業に従事し、クレーム処理、食事の改善、人を幸せにするスキルを身に着けました。

ポティファルの妻の誘惑事件で無実の罪で投獄されましたが、現代風に言えばコンプライアンスへの注意喚起となり、スキャンダルの隙を作らない姿勢が身に付きました。

こうした体験の蓄積と、神がヨセフと共におられて彼を祝福し、ヨセフも神に感謝して生きた態度が、現在の彼の賢さと品格の輝きを与えたのでしょう。

ファラオは、ヨセフに指輪を与え、役職にふさわしい衣服を与え、高貴な人の娘を妻として与え、ツァフェナテ・パネアハという名を与え、国家的プロジェクトの総責任者に任命しました。(41~45節)

☐主が未来を見せて下さったら、対策を立て、実行しよう
☐抜擢されたら、やってみよう
☐無駄な過去は一つもない

ヨハネ20:1~18 ラボニ

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