47章には、ヤコブがエジプトで受けた3種の祝福が描かれています。そして、ヤコブがファラオを祝福した事が記録されています。
それから、ヨセフは父ヤコブを連れて来て、ファラオの前に立たせた。ヤコブはファラオを祝福した。(創世記47:7)
創世記47章で印象的な言葉は7節の「祝福」です。ひとりの老人ヤコブがエジプトの最高権力者ファラオを祝福しています。10節にも「ヤコブはファラオを祝福し」とあります。本来、高位の人が下位の人を祝福するものですが(ヘブル7:7)、一介の羊飼いが王を祝福しています。今日は、「祝福」をキーワードにして読み解いていきましょう。
まず創世記47章を要約します。1~12節には、ヤコブと息子たち家族が無事にエジプトに到着し、ファラオに挨拶した事が書かれています。主がエジプトに下ることを恐れるなと言われたように、確かにヤコブの一族はエジプトの最良の地、ゴシェンに移住できました。ファラオはヤコブたちを歓迎し正式に移住を認めてくれました。これが第一の祝福です。外国人がエジプトに居住することを保証されたということは素晴らしい待遇です。安全な住まいと環境は祝福なのです。
13~26節には、エジプトの社会環境の推移が書かれています。飢饉は激しさを増し、エジプトの人々は銀で穀物を買っていましたが、銀が尽きると家畜で食料を購入しました。家畜も尽きると、最後の手段、自分たちの土地をファラオに売り、自分自身をファラオの奴隷として差し出しました。
自然災害が社会の構造を大きく変えたのです。コロナとウクライナ戦争の影響を受けた私たちも社会の変化を感じています。
またヨセフは、父と兄弟たちとその一族全員を、扶養すべき者の数に応じて、食物を与えて養った。(12節)
ヤコブ一族の生活はヨセフによって守られていたので、社会の影響を受けず、奴隷にならずに生活できたのでしょう。これが第二の祝福です。
27~31節にはヤコブの晩年が描かれています。ヤコブはエジプトで平安な17年間を過ごし147歳になりました。彼は自分の死期を悟って、カナンの地に葬ってくれるようヨセフに依頼しました。穏やかな長寿、これが第三の祝福です。
ヤコブはエジプトで素晴らしい祝福を主から頂きました。平和、自由、やすらぎ、健康、繁栄、喜び、愛情、調和などは神から頂いた目に見える祝福です。あなたも、主から祝福を頂いています。数えてみて下さい。
ところで、創世記には「祝福」という言葉が60回以上も登場します。神は、世界を創造された初めから世界と人々を祝福されました。まことの神は祝福の神なのです。主はアブラハムを選び、彼を通じて世界を祝福しようとされました。
「わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。地のすべての部族はあなたによって祝福される。」(創世記12:3)
周囲の人々を祝福するという役割は、アブラハムからその子イサクへ、そしてヤコブに引き継がれました。だから、ヤコブはエジプト王を祝福したのです。ヤコブの息子ヨセフも彼の周囲の人を祝福しました。
主はヨセフのゆえに、このエジプト人の家を祝福された。それで、主の祝福が家や野にある全財産の上にあった。(創世記39:5)
私たちにもアブラハムやヤコブと同じ使命が与えられています。あなたも私も、周囲の人を祝福するために生まれたのです。身近な人に福音を伝えましょう。笑顔を広げ慰めや励ましを届けましょう。
「あなたがたは祝福を受け継ぐために召されたのです。」(第一ペテロ3:9)
☐主から与えられた祝福を数え、感謝しよう。
☐私たちは周囲を祝福するために生きている