ナオミとルツがベツレヘムに戻った時は、ちょうど大麦の収穫が始まる時期でした。ルツが目にした景色は黄金に輝く麦畑だったのです。大麦の刈り入れはおそらく1か月くらいで終わったのではと推測します。ルツは落穂拾いの仕事を毎日続け、たくさんの麦を家に持ち帰ってナオミと共に幸せに過ごしたことでしょう。
ナオミは嫁のルツの幸せを以前から考え(ルツ記1:9)、再婚相手が見つかることを願っていました。大麦の収穫中、たくさんの落穂をルツにだけに与え続けてくれたのですから、ボアズがルツに好意を持っていることは間違いありません。年の功で、ナオミはルツに助言することにしました。今夜、行動してごらんと。
あなたもナオミの立場にいるかもしれません。若者や後輩には見えないけれど、あなたには見えていることがあります。誰かの背中をちょっと押して、応援してあげましょう。
あなたが一緒にいた若い女たちの主人ボアズは、私たちの親戚ではありませんか。ちょうど今夜、あの方は打ち場で大麦をふるい分けようとしています。あなたはからだを洗って油を塗り、晴れ着をまとって打ち場に下って行きなさい。(ルツ記3:2~3)
ナオミは今晩がチャンスだと悟りました。なぜでしょう。今日は大麦のふるい分けの作業をする日なのです。脱穀を終えて大麦をしまったら、打ち上げの食事をします。夜遅くまでかかるので、その場で泊まり込みます。収穫物を泥棒から守るという意味もあるかもしれません。ボアズさんの喜んでいる夜、大仕事を終えたタイミングですから、プロポーズをするには最適の日なのです。
ナオミがルツに逆プロポーズを勧めたのは理由があるでしょう。ボアズさんはルツに好意があるくせに、行動しない、口に出さない人です。このままでは、タイミングを失ってしまいます。ルツから好意を示しても喜んでくれるし、その後は、きっと買戻しのために行動し、ルツと結婚してくれると予測しました。
ナオミの提案はこうでした。体を洗いなさい。仕事を終えた汗まみれではいけない。油を塗って香水にしなさい。一番の晴れ着を着なさい。そうすれば、思い付きや感情に流されて来たのでないと分かってもらえます。
これは姿勢を整える段取りです。何事も、何かをすることより、どんな態度で臨むかが大事です。大好きな人にデートを申し込む時も、心を整え、祈りを積んで、行動してみましょう。
私たちクリスチャンも、聖霊によって洗われ(第一コリント6:11)、キリストの香りを放つ者とされ(第二コリント2:15)、「新しい人」を着た者(コロサイ3:10)なのです。
3~4節で、どんな行動をすべきかナオミは知恵を授けました。見つからないようにすること。ボアズが寝る場所を見届けること。彼が眠ったら足元に入ること。ボアズが起きるまでじっとしていること。ボアズが起きたら、彼に従うこと。
「おっしゃることは、みないたします。」(ルツ記3:5)
ルツは、ナオミの提案を全部受け入れました。ボアズのことが好きでしたから、全面的に賛成でした。ルツは賢い女性ですから、ナオミの意図を理解しました。身だしなみを整え、心を整え、行動を慎み、勇気を出して実行しました。
あなたもルツのように、一世一代の行動をする時かもしれません。良く考え、良く祈り、神のみこころを求めつつ、思い切って行動しましょう。結果は神にゆだねましょう。
仕事を選ぶ、仕事を止める、家を買う、引っ越しをする、最初のデートに誘う、プロポーズする、相手の親に結婚の挨拶に出かけるなど、私たちにも「大麦をふるい分ける」時があるのです。
「主の言われたことはすべて行います。」(出エジプト記24:3)
「あなたが私たちに命じたことは、何でも行います。あなたが遣わすところには、どこでも参ります。」(ヨシュア記1:16)
□誰かの背中をちょっと押してあげましょう。
□今が行動すべきと思ったら、祈りながらやってみましょう。
□主の言われたことは、みないたします。