ルツはナオミの指示に従いボアズの足元に忍び込みました。あなたがルツなら、そこで何を考えるでしょう。今回の行動がボアズに受け入れられるようにとひたすら祈ることでしょう。最初の一言を何度も心の中で繰り返すことでしょう。
ボアズは夜中、人の気配を感じて飛び起きて、あなたは誰だと聞きました。
「わたしはあなたのはしためルツです。あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。あなたは買戻しの権利のある親類です。」(ルツ記3:9)
「おおい」という単語はヘブル語でカナーフ、2:12でボアズが用いた言葉で、直訳は「翼」です。ルツは、神の翼の保護を求めてこの地にやって来ましたが、あなたの翼でもおおって欲しいのですと伝えました。逆プロポーズでありながら、へりくだった姿勢を切々と伝えました。ボアズがあがないの権利のある親戚なので、姑ナオミが失った土地を買い戻して下さいと頼みました。
ボアズ即答し、イエスと言いました。その土地を買い戻し、土地の元所有者の未亡人と結婚するという一連の行為が<買い戻す>という意味でした。
ボアズは、「娘さん、もう恐れる必要はありません。あなたが言うことはすべてしてあげましょう。」(11節)
買い戻しの権利のある親類はボアズ以外にもう一人、優先権を持つ者がいるとボアズは述べました。ボアズは既にナオミの土地を買い戻すつもりで具体的な手順を確認済みだったのです。大切なことは、主のみこころを求めながら計画し決断する事です。
「その人が親類の役目を果たすことを望まないなら、私があなたを買戻します。主は生きておられます。」(13節)
ボアズの目の前には困難の壁がありましたが、生きておられる主によって乗り越えられると前向きに考えました。誰でもボアズと同じ信仰に立てます。あなたも口から声を出していいましょう、主は生きておられると。
ナオミは、ベツレヘムに戻った時「素手で帰された」ことを嘆いていました。(1:21)ボアズは、「手ぶらで帰ってはならない」(3:17)と言って大麦6杯をルツの上着に入れ結納代わりに持たせました。ナオミはそれを見て言いました。「あの方は、今日このことを決めてしまわなければ落ち着かないでしょうから。」(18節)
もしルツが否定的な人なら、ナオミの今回の作戦を退けてこう反論したでしょう。ボアズと自分は住む世界が違い過ぎる。現実は甘くない。社会は不公平で冷たいと。良く考えて下さい。現実とは、あなたの決断や考え方が積み重なってできた地層のようなものです。ですから、信仰という名の絵具を用い、決断という名の筆によって、絵を描くなら、現実は油絵のように上書きできるのです。ルツのように、ボアズのように、主を信頼して、美しい絵を新しく描いていきましょう。
奇しくもルツとボアズの発言はそっくりで前向きです。5節のルツの発言と11節のボアズの発言を英訳聖書で見れば分かります。私はします=I will doという強い意志と信仰が感じられます。
I will
do whatever you say. 「おっしゃることは、みないたします。」(5節)
I will
do for you all you ask. 「あなたが言うことはすべてしてあげましょう。」(11節)
□勇気を出して「おおって下さい」と言いましょう。
□主は生きておられるので、困難にひるまずに行動しましょう。