今日の箇所にはボアズによる買い戻しが正式に完了したことが書かれています。
「昔イスラエルでは、買い戻しや権利の譲渡をする場合、すべての取り引きを有効にするために、一方が自分の履き物を脱いで、それを相手に渡す習慣があった。これがイスラエルにおける認証の方法であった。」(ルツ記4:7)
ルツがボアズに求婚した時とルツ記が書かれた時代の間にはかなりのタイムラグがあることが7節の記述で分かります。履き物を脱いで渡すという商習慣はかなり昔に途絶えていたようです。
このようなわけで、ルツ記が書かれたのはダビデが王に即位し、王国が栄えた後に書かれたものだと推測できます。ダビデは、自分の力で王になったと考えていませんでした。すべては主の助け、導き、あわれみによると考えました。また、ダビデの先祖ナオミ、ルツ、ボアズが信仰をもって勇敢に行動してくれたので、血筋が途絶えることなく、ダビデに命が与えられたと考えていたのです。
私たちも、神が備えてくれた先駆者、良いものを子孫に伝えてくれた恩人として先祖たちに感謝できます。あなたにとってのボアズやルツは誰ですか。
ボアズは9~10節で、ナオミとエリメレクの土地を買い取ったと述べ、ルツを自分の妻とすることにより血筋を守ったと宣言しました。
ユダヤ人は土地と血筋の二つをとても大切にしました。その二つは、神がアブラハムに与えた約束の中心でした。神はアブラハムにこの土地を与えると約束されました。また、子供のいないアブラハムに必ず息子が与えられ、その子孫が星の数ほど増えると言われました。土地と子孫。それは神から頂いた最も大切な祝福だったのです。
あなたにとっての土地と血筋とは何でしょう。今、手にしている財産や土地。先祖や父母から受け継いだ性格、能力、容姿やスタイル、生まれた場所などが私たちにとっての土地や血筋なのかもしれません。両親がクリスチャンなら、そこからも大きな恵みをもらっています。神から頂いた祝福を感謝しましょう。
どうか、主が、あなたの家に嫁ぐ人を、イスラエルの家を建てたラケルとレアの二人のようにされますように。(ルツ記4:11)
長老たちはボアズとルツの結婚を喜び、十二部族の母となったラケルとレアのようにルツが用いられるようにと祝福してくれました。ボアズがベツレヘムを含むエフライム地方で繁栄するようにと願ってくれました。そして、ルツによって子孫が与えられるように祈ってくれました。
かつて十二部族の一つ、ユダ族が途絶えそうになった時がありました。創世記38章に詳しく書かれています。その時、ユダの家に嫁いだタマルが勇気ある行動をしたので、ユダの血筋が存続でき、ペレツが生まれ、その子孫にボアズが生まれました。(マタイ1:3)
ボアズの行動は、ルツへの愛情の表現にとどまらず、ユダ族の土地と血筋を守ることになりました。ボアズは経済的に大きな犠牲を払い、外国人を妻にするという困難も乗り越え、それによって神への愛をあらわしました。
□あなたにとっての先祖ボアズとルツに感謝しよう。
□神から与えられた「土地」や「家族」とは何だろう。
□神から与えられた良きものを守り続けよう。