2023年8月20日日曜日

エペソ2:11〜22 二つを一つに

 今日は仲直りの話をします。

 2章前半でパウロは恵みによる救いを説明しました。続く今日の箇所において、主イエスの福音が私たちを罪から救うだけではなく、ユダヤ人と異邦人を一つの家族にする力、つまり、分裂を一致に変える力を持っていると解説しました。
 争いに満ちた私たちの世界は、今こそ、この福音を必要としています。

エペソ人も、私たち異邦人も、「この世にあっては望みもなく、神もない者たち」(2:12)だったのです。けれども、キリストの血によって、神と近い関係にして頂けました。異邦人をユダヤ人となんら変わらない地位に引き上げて下さったのです。

 「しかし、かつては遠く離れていたあなたがたも、今ではキリスト・イエスにあって、キリストの血によって近い者となりました。」(2:13)

聖書全体の流れを思い浮かべて下さい。神がアブラハムを選んだ目的は、ユダヤ民族を通してすべての民族を祝福することでした。(創世記12:2~3)ところが、ユダヤ人はそれを勘違いし、特権意識を肥大させ異邦人を見下し付き合いをしないようになりました。

主イエスの福音、主イエスの十字架は、二つに分かれた民族を一つにするための神の知恵だったのです。

主イエスも、「わたしにはまた、この囲いに属さないほかの羊たちがいます。……一つの群れ、一人の牧者となるのです。」(ヨハネ10:16)と語られ、ユダヤ人と異邦人の救いだけでなく、両者の和解と一致を願っておられました。

 奇しくもエルサレム教会が激しい迫害を受けたことにより、クリスチャンが周囲に散らされて異邦人にも福音を語り出しました。その結果、アンテオケにおいて異邦人を中心にした教会が出来上がりました。異邦人とユダヤ人混在のこの教会が、その後の世界宣教を推し進めることになりました。

 「二つのものを一つのからだとして、十字架によって神と和解させ、敵意を十字架によって滅ぼされました。」(2:16)

 福音により、主イエスの血により、ユダヤ人と異邦人は一つの体となりました。両者は和解し、神の家族になりました。そして、一つの神殿となって神を賛美し、両者共に成長していく存在になったのです。(18〜22節)

 ユダヤ人とエペソ人にだけでなく、主イエスの福音の力は私たちの中にも働いています。主イエスの血によって罪が赦されただけでなく、もつれてしまった人間関係や家族関係が主の恵みによって一つ一つが整えられています。

 「ごめんなさい」を自分から言ったり、心を込めて「ありがとう」を言えたり、「愛しています」と言えるようになります。

 あなたは誰と仲直りしたいですか。どこの国の人と手をつなぎたいですか。

 ユダヤ人と異邦人が仲良くするなら、それだけで神の栄光が表れました。あなたも誰かと仲直りできたなら神の栄光が表れます。

神が備えて下さった救いは個人の救いにとどまらず人間関係やコミュニティー、世界の再生につながるものなのです。私たちも神がアブラハムに期待されたのと同じに、周囲の人々に神の祝福をもたらす者として歩んでいきましょう。

□キリストの血により、神の近くに移された
□福音により、ユダヤ人と異邦人が一つになった
□十字架により、神の家族にされた
□私たちは平和を作る者として召されている

ヨハネ20:1~18 ラボニ

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