パウロは、光の子どもとしての歩み方を説明してきましたが、夫婦、親子、職場における人間関係について語り始めました。今回は夫婦関係を取り上げます。
「妻たちよ。主に従うように、自分の夫に従いなさい。」(エペソ5:22)
「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自分を献げられたように、あなたがたも妻を愛しなさい。」(25節)
妻に対しては夫に従いなさいと命じ、夫に対しては妻を愛しなさいと命じました。これが夫婦関係の土台なのです。
パウロが命令する場合はたいてい理由を説明していますが、今回は少し分かりにくくなっています。その理由は、<なぜ夫に従うのか>と<なぜ妻を愛すのか>の理由解説(Whyに対する回答)が後回しにされ、どのように従うか(How)が先に書かれているからです。もう一点、キリストと教会の関係と夫婦関係の類似性が同時に語られているからです。
「それゆえ、男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである。」この奥義は偉大です。私は、キリストと教会を指して言っているのです。(31~32節)
たとえば、私が電車に乗って名古屋市内に買い物に出かけたいと思ったとします。でも、私の足が反発して近所のコンビニに向かったら私の体は分離してしまいます。キリストのみこころを今の時代に実現するのが教会です。教会がキリストの体と言われるのはそういう意味なのです。
夫に対して、妻を愛しなさいと命じられています。夫婦は一つの体なので、自分の体を大切にするのは当然のことです。夫が妻を愛すということは、自分の体をいたわるという意味です。そして、愛する者のために命を捨てる覚悟も求められています。
「同様に夫たちも、自分の妻を自分のからだのように愛さなければなりません。自分の妻を愛する人は自分自身を愛しているのです。いまだかつて自分の身を憎んだ人はいません。むしろ、それを養い育てます。キリストも教会に対してそのようになさるのです。」(28~29節)
キリストは私たちを罪から救うために命をささげて下さいました。(25節)バプテスマを通して私たちをきよめ、みことばにより絶えず育てて下さっています。(26節)そして、最終的には、しみや傷のない「栄光の教会」として立たせて下さいます。(27節)
「それはそれとして、 あなたがたもそれぞれ、自分の妻を自分と同じように愛しなさい。 妻もまた、自分の夫を敬いなさい。」(33節)
33節は結婚関係についての結論です。夫は妻を愛しましょう。妻は夫を尊敬しましょう。今まで「従いなさい」と言ってきたのに、尊敬しなさいと言い換えています。夫に従うという命令を積極的に言い直すと尊敬になるのです。
夫婦は一つ。夫婦が愛し合い、互いに仕え合うなら、家庭はオアシスになり、社会は豊かになります。
□妻と夫は一つの体です。
□私たち教会は、かしらであるキリストの体です。
□夫を尊敬しよう。妻を大切にしよう。