人間関係のトラブルとは、強い者が弱い立場の人を支配して苦しめる場合が多いです。光の子とされたクリスチャンには人間関係を適切に導く方針が示されています。それが、エペソ5:21です。「キリストを恐れて、互いに従い合いなさい。」
豊かで健康的な人間関係を築くためには、互いが互いに仕える姿勢を持てば良いのです。
[親子]
子どもたちよ。主にあって自分の両親に従いなさい。これは正しいことなのです。(エペソ6:1)
父たちよ。自分の子どもたちを怒らせてはいけません。むしろ、主の教育と訓戒によって育てなさい。(4節)
結婚関係について語ったパウロは、次に親子関係について説明しました。
子供は両親に従うこと。両親は主の教育と訓戒で子供を導くこと。いたってシンプルな原則です。両親に従うという教えは十戒の言葉です。(出エジプト記20:12)両親に従うなら幸せになり、長寿に恵まれると約束されています。(エペソ6:2~3)
親の第一の務めは、「親に従いなさい」と子供に教えることです。子どもに最も大切な事を教えるのは親しかいません。その親を無視し馬鹿にするなら、大切なことを学ばずに大人になってしまいます。
「父たちよ」とパウロは語りかけています。教育の責任者はママではなく、パパなのです。現代社会は、男が会社に出かけ、女性が家事・育児を担当するように強いて来ましたが、聖書の原則に変わりはありません。お父さんは、子供の年齢に応じて接し方を変えながら、子供たちに愛情をこめて指導して下さい。子供たちから尊敬され、相談される人になってください。
「子供たちを怒らせてはいけません」とは、子供のご機嫌取りをしなさいという意味ではありません。親の気分や気まぐれで子供に暴力を加えたり、恥をかかせる罰を与えたり、子供の話を一切聞かないなら、子供は怒ります。そうした親の態度を戒めているのです。
親がすべきことは、教育と訓戒です。子供に道を教える事と、道を逸れた子供を正しい道に連れ戻すことです。しつけるという事は、常識や礼儀、正しい生き方、親切な生き方を教えることです。失敗した時には、「ごめんなさい」と申し出る勇気や正直さを教え、誘惑に対する防波堤となる抵抗力を育て、忍耐力や判断力を持てるよう励ますのです。教育の最終目標は子供の自立です。
初めての子育ては分からないことだらけです。私も失敗や落胆を重ね、試行錯誤してきました。ですから、父と母は天の神に祈り、助けを求めましょう。良きママ友、パパ友を持って祈り合い励まし合っていきましょう。いつか、子供が成人して、「お父さん、お母さん、育ててくれてありがとう。」と言ってもらえる日が来ます。
[職場]
人にではなく主に仕えるように、喜んで仕えなさい。(7節)
主人たちよ。あなたがたも奴隷に対して同じようにしなさい。脅すことはやめなさい。………主は差別されないことを知っているのです。(9節)
結婚、親子に触れた後、パウロは職場の上司と部下の関係を語りました。2000年前のことですから、主人と奴隷という関係になります。職場の場合は、人間関係のコツというテーマにはならず、働く者の動機に焦点が当たっています。
働く者は主のために働くという意識が最も大事なのです。「キリストに従うように」「真心から」「キリストのしもべとして」「人にではなく主に仕えるように」と書かれています。
マネージメントの父と言われる、ピーター・ドラッカーは、会社のミッション(使命)の重要性を語りました。会社は何のために存在しているのでしょう。金をもうけて社長が贅沢するために存在するという会社ならすぐに辞めたほうが良いです。社会のため、誰かのために、製品を作りサービスを提供するという目的の明瞭な会社に勤めましょう。
また、労働者であるあなた自身が、働く目的をしっかり持っていることは大事です。個人のミッションを持っているなら、あなたは周囲に流されることなく仕事に打ち込むことができます。
パウロは奴隷の主人たちにも、「同じように」と注文を与えています。主人も社長もキリストのために働き、職場を監督し、奴隷たちに仕えるのです。社長や上司も、その立場にふわさしく、従業員と顧客と社会に役立つ会社になるように舵取りをするのです。
改めて尋ねます。何のために仕事をしていますか。誰のために働いていますか。神の栄光のために仕事をしましょう。
□互いに仕え合って生きていこう。境界線を越えず支配しない。
□主の教育と訓戒で子供を育てよう。
□仕事の目的や意味を理解して、クリエイティブに取り組もう。