詩編の中には、2、20、21、72篇など王をテーマにしたものがあります。詩編45篇の主題も王で、特に王の婚礼について述べられています。前半の1~9節は花婿である王を描写し、後半の10~17節は花嫁について語られています。
「あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたの唇からは優しさが流れ出る。神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。」(詩編45:2)
「あなた」は王を指しています。共同訳聖書では「誰よりも美しく」と訳されています。王の麗しさ、美しさ、優しさが強調されています。
それだけではなく、王は勇士であり、威厳があり(3節)、真理と柔和と義を持ち(4節)永遠性を兼ね備えていると書かれています。(6節)また、この王は神によって油注がれた方だと説明されています。こんなに素晴らしい王が実際にいるのだろうかと思えてきます。
「あなたは義を愛し悪を憎む。それゆえ神よ、あなたの神は喜びの油をあなたに注がれた。あなたに並ぶだれにもまして。」(7節)
へブル人への手紙1:8~9で詩編45篇6~7節が引用され、ここに書かれた王が御子イエスさまであるとの解説がなされ、「御子については、こう言われました」と明記されています。素晴らしい王とはイエスさまのことだったのです。
10節からは花嫁へのアドバイスや婚礼時のきらびやかな様子が描かれています。
「娘よ、聞け。心して耳を傾けよ。あなたの民とあなたの父の家を忘れよ。そうすれば王はあなたの美しさを慕うだろう。彼こそあなたの主。彼の前にひれ伏せ。」(10~11節)
生まれ育った家の風習から離れ、結婚相手の王に仕えるようにとの指示です。かなり厳しい言い方ですね。でも、私たちのために命を捨てて下さった麗しい主イエスのためなら、私たちは進んでお仕えすることができます。
黙示録では、花婿であるイエスさまと花嫁である教会の婚礼の時が来ると述べています。
「私たちは喜び楽しみ、神をほめたたえよう。子羊の婚礼の時が来て、花嫁は用意ができたのだから。」(黙示録19:7)
一般的に言って、結婚式の時の新郎と新婦は生涯で最も輝いています。詩編45篇には、優しく威厳がある王と、王に仕える喜びで輝く花嫁が描写されています。
詩編の内容は、結婚式の様子から王の家系の繁栄に移り、永遠の王をたたえる礼拝となって終わります。
「私はあなたの名を代々にわたって呼び求めよう。それゆえ国々の民は世々限りなくあなたをほめたたえよう。」(17節)
今日のまとめをします。
イエスさまが油注がれた救い主であり、まことの王である事を認めましょう。優しさと力の両面を持ち、真理と正義と柔和さを備えた方で、私たちにとっての美しい救い主なのです。
私たちは、その素晴らしく麗しい王に仕える王国の国民です。「喜びをもって主に仕えよ」(詩編100:2)という有名な聖句のように、主イエスを礼拝し、主イエスに仕え、美しい主イエスを広く伝えましょう。
□主イエスは美しくて強い王
□主を喜び、礼拝して仕えよう