2022年10月23日日曜日

創世記41:46~57

 エジプトの王ファラオに仕えるようになったとき、ヨセフは三十歳であった。ヨセフはファラオのもとから出発して、エジプト全土を巡った。さて、豊作の七年間に、地は豊かに実らせた。(創世記41:46~47)

 ヨセフは30歳になりました。彼が王の夢を解き明かした通りに7年間の豊作が始まりました。ヨセフはファラオから任命された仕事に全力で取り組みました。

今までの苦労が報いられ、すべての経験が生かされ、神から与えられた賜物がみごとに開花しました。ヨセフはまさに働き盛りで、人生で最良の時期を迎えました。

48~49節にあるように、ヨセフは各地に食料備蓄用の巨大な倉庫を次々に建設していきました。多くの穀物が集まったので最後には量りきれなくなったほどです。

 ヨセフの凄さは、期待されたことを、期待通りに行えることです。今、仕事に携わっている人はヨセフを手本にしましょう。

働き盛りのみなさん。自分の仕事に集中しましょう。仕事を通して社会の人々に貢献できます。神の栄光を表すことができます。どんどん新しい事にチャレンジしましょう。たくさん吸収しましょう。後輩も育てることができます。仕事でのスキルを上げていきましょう。

 

ヨセフは長子をマナセと名づけた。「神が、私のすべての労苦と、私の父の家のすべてのことを忘れさせてくださった」からである。また、二番目の子をエフライムと名づけた。「神が、私の苦しみの地で、私を実り多い者としてくださった」からである。(創世記41:51~52)

 ヨセフは家庭面でも祝福を受けました。身分の高い女性と結婚し、子供も二人与えられました。長男はマナセ、次男はエフライムと名付けました。

マナセは、忘れる、という意味です。神が過去の苦労と実家のことを忘れさせてくれたのです。苦い過去を引きずることがなくなりました。憎しみも忘れ、復讐も忘れることができました。

エフライムという名は、豊かな実り、を意味します。現在の豊作がヨセフの人生を象徴しています。苦しみの地にいても、神が実りを与えて下さったと理解し始めました。実りを発見できるようになったのです。つまり、ヨセフは積極的に感謝する人になったのです。

子供の名前はヨセフの心境であり、人生の指針でもありました。過去にとらわれず、感謝を見出す人は、幸いな人生をおくれます。

 

エジプトの地での豊作の七年が終わると、ヨセフが言ったとおり、七年の飢饉が始まった。その飢饉はすべての国々に臨んだが、エジプト全土には食物があった。(創世記41:53~54)

 豊作の7年が終わると飢饉が始まりました。穀物を備蓄していたので国に混乱は起きませんでした。

 私たちの人生にも、豊作と凶作の時期があります。ヨセフの例にならって、凶作の時期に備えた人生設計をするなら、苦しみが来ても耐えることができます。あなたにとっての穀物の備蓄とは何でしょう。

 55節で、ファラオは食物を求める国民に対して、ヨセフのもとに行け、と言っています。57節では、人々が「ヨセフのところに来た」と書いてあります。

 いざという時に、あの人のところに行けば助けてくれる、という評判ができたら、その人は信頼できる人です。そういう人になれたら良いですね。

 「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。
主が成し遂げてくださる。」(詩篇37:5)

 ヨセフは主に信頼し自分の人生を主にゆだねました。それで、主の助けを頂いて過去を忘れ実りを発見して感謝する人となり、働き盛りの時に精一杯働いて多くの人の役にたつことができました。あなたはヨセフから何を学びますか。

☐人々と主のために、精一杯働きましょう。
 ☐マナセとエフライム。過去を忘れ、実りを感謝しましょう。
 ☐ヨセフから学びましょう。

2022年10月16日日曜日

創世記41:33~45

 1、対策を立てる人、ヨセフ

ですから、今、ファラオは、さとくて知恵のある人を見つけ、その者をエジプトの地の上に置かれますように。(創世記41:33)

 ヨセフはファラオの夢を聞いてその意味を適格に解き明かし、7年の豊作が来た後に7年間の凶作が続くと述べました。

ヨセフは33~36節でとても具体的な対応策を提案しました。将来の傾向が分かったら、対策を練り実行に移す。それがヨセフの優れた点です。

 ヨセフの提案をまとめるとこうなります。最高責任者を置く。(33節)各地に監督者を配置する。(34節)豊作の7年間に収穫の五分の一を税金として民から徴収する。(34節)これは通常の二倍の税金になりますが、凶作の7年間を生き抜くための国家備蓄になります。

 食料貯蔵の専任者が全国規模のビジョンと計画を作り、組織系統で直結した地方担当者が実行する行政システムはとても効果的です。また、五分の一と税率を固定することで事務手続きが簡略化されます。地域ごとに穀物がが備蓄されるので、凶作の時は地域ごとに配布できます。

 ご存じのように虫歯は放置すれば必ず悪化します。あなたの歯が痛んだら、痛み止めを飲みますか、歯医者の予約を入れますか。対策と実行は未来を変えます。

今見えているあなたの未来はどんな未来ですか。雨が降りそうな未来なら、あなたなりの傘を用意しましょう。晴れそうならテントを持ってキャンプに行きましょう。

対策を立てて実行するヨセフを模範にしましょう。あなたは将来に対して何を備えますか。

 

2、神の霊が宿る人、ヨセフ

 そこで、ファラオは家臣たちに言った。「神の霊が宿っているこのような人が、ほかに見つかるだろうか。」(41:38)

 ファラオは、ヨセフの夢の解き明かしと対策を聞いて、「賢い人物だ」「切れ者だ」と言わずに、「神の霊が宿っている」(38~39節)人物だと評しました。なぜでしょう。

 ヨセフから醸し出される雰囲気は、頭脳明晰で冷徹なコンサルタントという感じではなく、商機到来として私利私欲に走る商人気質でもなく、公正無私で国民の利益を最優先する公僕の模範と見えたのでしょう。また、きよさ、謙虚さ、穏やかさという品格が自然とただよっていたのでしょう。ファラオはヨセフを見て、神に信頼し神に守られている人だと直感したのでしょう。それで、神の霊の宿った人と述べたのでしょう。

 46節を見ると、ヨセフはこの時30歳。奴隷に売られたのが17歳(37:2)。つまり、ポティファルの家で11年間働き、直近の2年間は牢獄にいたのです。13年間の下積み生活は、一つも無駄ではなかったのです。

ポティファルの家では、お金、穀物、家畜、売り買い、建物などのすべての管理の仕事に携わりました。牢獄の2年間では、人に仕える仕事、つまりサービス業に従事し、クレーム処理、食事の改善、人を幸せにするスキルを身に着けました。

ポティファルの妻の誘惑事件で無実の罪で投獄されましたが、現代風に言えばコンプライアンスへの注意喚起となり、スキャンダルの隙を作らない姿勢が身に付きました。

こうした体験の蓄積と、神がヨセフと共におられて彼を祝福し、ヨセフも神に感謝して生きた態度が、現在の彼の賢さと品格の輝きを与えたのでしょう。

ファラオは、ヨセフに指輪を与え、役職にふさわしい衣服を与え、高貴な人の娘を妻として与え、ツァフェナテ・パネアハという名を与え、国家的プロジェクトの総責任者に任命しました。(41~45節)

☐主が未来を見せて下さったら、対策を立て、実行しよう
☐抜擢されたら、やってみよう
☐無駄な過去は一つもない

2022年10月8日土曜日

創世記41:14~24

1、二人の夢

40:9~13をご覧ください。献酌官長の見た夢はぶどうの木が育ち実を結ぶ夢でした。ヨセフは、3日後に元の職にもどれるとその意味を解き明かしました。
 一方、料理官の見た夢は不吉な夢で、頭上の籠の食べ物を鳥に食べられる内容でした。(16~19節)ヨセフはその意味を解説し、3日後にファラオの前に出されて処刑され、遺体を鳥がついばむと述べました。
 献酌官長と料理官が、三日後はファラオの誕生日だと気づいた時に驚愕したはずです。(20節)

 牢屋とは本来どんな場所でしょう。やり直せるか、死刑になるか、そのどちらかを待つ場所です。
 釈放が決まったならば、あなたは何を考えますか? 同じ失敗を繰り返すまいと心に決めるでしょう。仕事に一層熱意を傾けることでしょう。
 死刑が決まったら、どうしますか? その場合でも、なすべきことがあります。妻や子供との面会させてもらい、感謝の言葉を伝えるでしょう。お金や所有物に関する重要事項をもらさず家族に話すことでしょう。

やり直すことも、閉ざされることも、どちらも人生です。やり直して正解だったという場合もあい、奇跡の再起ということも起こります。一方、プロポーズが拒絶されることもあるし、受験に失敗することもあります。

今でも、主は、私たちに対して将来の予告編を見せてくれる場合があります。未来を知らせるのは、準備をさせるためなのです。

 

2、ファラオが見た夢

ファラオは不思議な夢を見ました。(創世記41:1~8、同じ内容が17~24節にも再録されています)

7頭の肥えた雌牛がナイル川から上がって来て草を食べ、醜く痩せた7頭の雌牛に食い尽くされる夢です。もう一つの夢は、7つの良い穂が7つの貧弱でしなびた穂に呑み込みまれる夢です。非常に不吉で、ファラオは心が激しく騒ぎました。

誰も夢を解き明かせない時に、献酌官長は2年前の出来事を思い出し(41:1)、王にヨセフを紹介しました。(41:12)ヨセフが侍従長のしもべであって、献酌官長の夢を解き明かし、その通りになった事を告げたのです。ヨセフは牢獄から急遽呼び出されファラオの夢を聞き、その解説をしました。

これから7年間豊作が続くが、その後の7年は悲惨な凶作になると夢の意味を解き明かしました。ヨセフは解き明かしと共に、ファラオの夢の特徴を語りました。王様個人の未来を知らせる夢ではなかったのです。エジプト全体の将来に関わる重要な夢であり、王がリーダーシップを発揮するために神が告げられた性格を持つ夢だと語りました。

「ファラオの夢は一つです。神が、なさろうとしていることをファラオにお告げになったのです。」(41:25)
 同じ説明が28節と32節でも繰り返されています。

私は大型フェリーに乗って佐渡島まで行ったことがあります。船の後ろを見ると白波が長く続いていました。また、目的地の島がいつ見えるかと船の進む先も見ました。あなたは、どちらを見るのが好きですか。さて、その船の船長はどちらを見ているのでしょう。もちろん船の進行方向を見ています。私たちも自分の人生の船長ですから、後ろでなくて前を向かなけばいけないのです。

宗教哲学者のキルケゴールは次のように語りました。人生というものは、後ろを振り返れば意味を理解できるが、人生は前向きに進まなければならない。 

神はファラオに将来の姿を見せ、決断を促しました。
 神は私たちにも何らかの方法で将来を垣間見せてくれる場合があります。みことばで直接教えてくれる場合もあります。あるいは、環境を通して、医師の診断、合格結果、自分の心境の変化、なども将来を知るヒントになります。
 主が示して下さった事に基づいて、私たちは決断できます。その決断が、周囲の人を幸せにしたり祝福する場合もあります。

  ☐やり直せる、あるいは、道が閉ざされる。どちらの場合も、未来に備えよう。
  ☐みこころが示されたら、行動しよう。あなたの周囲に祝福をもたらすかもしれない。

2022年10月2日日曜日

創世記40:1~8

 二つの問を手掛かりにヨセフの心を紐解いていきましょう。

1、なぜ侍従長はヨセフを指名したのか?

侍従長がヨセフを彼らの付き人にしたので、ヨセフは彼らの世話をした。彼らは、しばらく拘留されていた。(創世記40:4)

ファラオの側近中の側近である献酌官と、これもまた要職である料理官が牢屋に入れられました。何かのミスを犯し、ファラオの逆鱗に触れたのだと思われます。その牢屋は侍従長ポティファルの敷地内にある施設で、ヨセフが収監され、今では管理のすべてを監獄長から任された同じ場所でした。
 ポティファルは別な翻訳では親衛隊長とされているように、ファラオの護衛の中心人物だったのでしょう。

二人の囚人は非常に地位の高い重要人物だったので丁重に扱う必要がありました。かつ、自死されても、脱獄されても大問題になります。それで監獄の総責任者ポティファルは、獄中にいたヨセフを名指して身の回りの世話を命じました。

そもそもポティファルは、ヨセフがポティファルの妻を乱暴しかけたという嫌疑で処罰を下したのですが、監獄内でのヨセフを様子を報告で聞いていたのでしょう、やはりヨセフは誠実な男だと再認識したようです。二人の囚人を任せられるのはヨセフしかいないと確信を持ったのです。見ている人は見ています。信頼は取り戻せます。

 

2、あなたならヨセフのせりふを言いますか?

 ヨセフは囚人の健康状態や精神状態に絶えず気を配っていました。ある朝、二人に会うと顔色が極端に悪いのです。どうしましたとヨセフは尋ねました。すると二人は夢を見たというのです。

二人は答えた。「私たちは夢を見たが、それを解き明かす人がいない。」ヨセフは言った。「解き明かしは、神のなさることではありませんか。さあ、私に話してください。」(創世記40:8)

「私たちは夢を見た」と言っています。二人の夢は今まで見た夢とは明らかに違っていたようです。見たこともないほど鮮やかな特別な夢でした。ふたりとも同じ夜に見て、朝起きたら、互いに夢を語り合っていました。何かの意味を持つ夢のはずですが、その意味が分からない。それで心が落ち着きません。

ヨセフという人は、自分の手にあるものを最大限に生かす管理の賜物を持っていました。ですが今回、発揮されたのは管理の賜物ではなく、リスクを取る大胆さが発揮されました。一言で言えば勇気です。「さあ、私に話してください」と力強く言いました。

神はこの二人に夢を用いて何かを語られたのだとヨセフは確信しました。夢を見させたのが神ならば、同じ神が夢の意味を必ず解き明かして下さるはずだと思いました。

神よ助けて下さい、夢の意味を解き明かせるように私を用いて下さいとヨセフは瞬時に祈ったのかもしれません。

あなたがヨセフなら、ヨセフのようにしますか。

さあ、私に話して下さいと言えたら素晴らしいですね。こうした自発性は、周囲の人に祝福をもたらすことになります。
 あなたも思い切ってジャンプしてみましょう。神が共におられるので道は開けます。信仰という助走があればジャンプできます。


「解き明かしは、神のなさることではありませんか。さあ、私に話してください。」

信頼回復の時はきっと来る。牢獄でくさらず、誠実に歩もう。
 ☐
勇気を出し、神を信頼し、思い切ってジャンプしよう。

ヨハネ20:1~18 ラボニ

 「だれかが墓から主を取って行きました。どこに主を置いたのか、私たちには分かりません。」(ヨハネ20:2)   マグダラとはガリラヤ湖西岸の町の名で、ティベリアの北にあります。マグダラのマリアは、ルカ8:2によると7つの悪霊を追い出して病気を癒してもらった人で、マタイ27...