2023年4月23日日曜日

ルツ記3:1~5

 ナオミとルツがベツレヘムに戻った時は、ちょうど大麦の収穫が始まる時期でした。ルツが目にした景色は黄金に輝く麦畑だったのです。大麦の刈り入れはおそらく1か月くらいで終わったのではと推測します。ルツは落穂拾いの仕事を毎日続け、たくさんの麦を家に持ち帰ってナオミと共に幸せに過ごしたことでしょう。

 ナオミは嫁のルツの幸せを以前から考え(ルツ記1:9)、再婚相手が見つかることを願っていました。大麦の収穫中、たくさんの落穂をルツにだけに与え続けてくれたのですから、ボアズがルツに好意を持っていることは間違いありません。年の功で、ナオミはルツに助言することにしました。今夜、行動してごらんと。

 あなたもナオミの立場にいるかもしれません。若者や後輩には見えないけれど、あなたには見えていることがあります。誰かの背中をちょっと押して、応援してあげましょう。

 あなたが一緒にいた若い女たちの主人ボアズは、私たちの親戚ではありませんか。ちょうど今夜、あの方は打ち場で大麦をふるい分けようとしています。あなたはからだを洗って油を塗り、晴れ着をまとって打ち場に下って行きなさい。(ルツ記3:2~3)

 ナオミは今晩がチャンスだと悟りました。なぜでしょう。今日は大麦のふるい分けの作業をする日なのです。脱穀を終えて大麦をしまったら、打ち上げの食事をします。夜遅くまでかかるので、その場で泊まり込みます。収穫物を泥棒から守るという意味もあるかもしれません。ボアズさんの喜んでいる夜、大仕事を終えたタイミングですから、プロポーズをするには最適の日なのです。

ナオミがルツに逆プロポーズを勧めたのは理由があるでしょう。ボアズさんはルツに好意があるくせに、行動しない、口に出さない人です。このままでは、タイミングを失ってしまいます。ルツから好意を示しても喜んでくれるし、その後は、きっと買戻しのために行動し、ルツと結婚してくれると予測しました。

 ナオミの提案はこうでした。体を洗いなさい。仕事を終えた汗まみれではいけない。油を塗って香水にしなさい。一番の晴れ着を着なさい。そうすれば、思い付きや感情に流されて来たのでないと分かってもらえます。

 これは姿勢を整える段取りです。何事も、何かをすることより、どんな態度で臨むかが大事です。大好きな人にデートを申し込む時も、心を整え、祈りを積んで、行動してみましょう。

 私たちクリスチャンも、聖霊によって洗われ(第一コリント6:11)、キリストの香りを放つ者とされ(第二コリント2:15)、「新しい人」を着た者(コロサイ3:10)なのです。

 3~4節で、どんな行動をすべきかナオミは知恵を授けました。見つからないようにすること。ボアズが寝る場所を見届けること。彼が眠ったら足元に入ること。ボアズが起きるまでじっとしていること。ボアズが起きたら、彼に従うこと。

 秘すれば華です。サプライズ効果があるのです。

 「おっしゃることは、みないたします。」(ルツ記3:5)

 ルツは、ナオミの提案を全部受け入れました。ボアズのことが好きでしたから、全面的に賛成でした。ルツは賢い女性ですから、ナオミの意図を理解しました。身だしなみを整え、心を整え、行動を慎み、勇気を出して実行しました。

 あなたもルツのように、一世一代の行動をする時かもしれません。良く考え、良く祈り、神のみこころを求めつつ、思い切って行動しましょう。結果は神にゆだねましょう。

 仕事を選ぶ、仕事を止める、家を買う、引っ越しをする、最初のデートに誘う、プロポーズする、相手の親に結婚の挨拶に出かけるなど、私たちにも「大麦をふるい分ける」時があるのです。

「主の言われたことはすべて行います。」(出エジプト記24:3)
 「あなたが私たちに命じたことは、何でも行います。あなたが遣わすところには、どこでも参ります。」(ヨシュア記1:16)

 □誰かの背中をちょっと押してあげましょう。
 □今が行動すべきと思ったら、祈りながらやってみましょう。
 □主の言われたことは、みないたします。

2023年4月16日日曜日

ルツ記2:17~3

 嫁のルツは畑で一日仕事をして帰ってきました。義理のお母さんが夕食を準備して待っていたかもしれません。大麦の袋をどさっと置いて、ランチの残り物をお土産に出して一緒に食べ始めたタイミングで、ルツは今日一日の出来事を詳しく話したことでしょう。

ルツが担いで来た1エパ(23㍑)の大麦を見てナオミはびっくり仰天しました。落穂拾いでもらえる量としては異常なほどに多いのです。ナオミは事態を瞬時に読み取り、農園主が特別な親切を示してくれたと分かったので、祝福の祈りをささげ、感謝を表しました。(17~19節)

夕食の席で私たちは、今日起きた何気ないことを語り合います。普通の出来事であっても、信仰の目で見直すとまったく違って見えてきます。主のご配慮、御恵みを見つけることができます。感謝と賛美と安心が生まれます。日常生活は主の恵みにあふれているのです。

 ナオミは嫁に言った。「生きている者にも、死んだ者にも、御恵みを惜しまない主が、その方を祝福されますように。」ナオミは、また言った。「その方は私たちの近親の者で、しかも、買い戻しの権利のある親類の一人です。」(ルツ記2:20)

畑の持ち主ボアズは、ルツの親孝行、大きな犠牲、明確な信仰告白を知って、自分にできる方法でナオミとルツを応援しようと心に決めました。

ボアズがルツに親切にしてくれたとナオミは分かりました。神からの祝福がボアズさんにあるようにと二度も祈りました。生きているナオミとルツが恵みを受け、死んだ夫も息子たちも喜んでくれるだろうと考えました。神は御恵みを惜しまない方なのです。
 私たちも誰かの祝福を祈る人になりましょう。

 飢饉の時に、ナオミとエリメレクは先祖代々の土地を売り払ってモアブに逃げたのです。今は自分たちの土地を買い戻すお金を持っていません。でも、ボアズさんが望むなら優先的にナオミたちの土地を買い戻すことができます。ボアズはそういう立場の親戚だったのです。「買い戻しの権利のある親戚」という長い言葉は、贖い主という意味で、ヘブル語ではゴーエール、英語はRedeemerです。

 主イエスとボアズは似ています。普段の生活では恵みを注いで私たちを支えてくれます。そして、いざという時には大きな代価を払って私たちを買い戻してくれます。

 「私を贖う方は生きておられ、ついに、土の上に立たれる。」(ヨブ記19:25)

 ボアズさんはルツに、続けて彼の畑で働きなさいと言ってくれました。刈り入れが終わるまで働きなさい、そして、若い女たちのそばにいなさいと言ってくれましたとルツは付け加えました。(21節)ナオミは、それを聞いて喜び、それなら外国人であること、貧しいこと、新参者であることのゆえのいじめにあわなくて済むと胸をなでおろしました。(22節)

 ルツは大麦の刈り入れの初めから小麦の刈り入れが済むまでの春の期間、ボアズの畑で働くことをゆるされ、義理の母と嫁は幸せに暮らせました。

 「御恵みを惜しまない主が、その方を祝福されますように。」 


 □主は、私たちの日常生活の中に御恵みを惜しまず注がれる。 
 □今日起きた事を、信仰の目で見直そう。
 □ナオミのように周囲の人の祝福を祈る者になろう。

 

 

2023年4月10日月曜日

ルカ24:13~27

 イースターおめでとうございます。主はよみがえられました。 

主イエスは2000年前の金曜日に十字架にかかられました。その直後の日曜日の夕方、主イエスの弟子の二人がエルサレムを離れ、エマオという町に向けて歩いていました。エマオはエルサレムから西に11キロほど離れた町です。クレオパともう一人の弟子は、西日を顔に浴びながら坂道を下り、真剣に話し込んでいたのでしょう。(13~14節)

そこに、男性が一人現れ、何を話しているのですかと質問しました。二人はその男性が復活されたイエスさまだとは気づかず、顔を曇らせながら一連の出来事を説明しました。(17〜18節)

なぜ、主イエスはクレオパたちに名乗らないのでしょう。主イエスにはお考えがあったようです。

 クレオパたちは説明しました。ナザレ出身のイエスを聖書が預言して来た救い主だと私たちは信じました。人間には絶対にできない奇跡を行い、素晴らしい教えを語られました。イエスさまこそイスラエルを解放して下さる方だと期待していましたが、金曜日に十字架で処刑されてしまいました。もう何もかも終わりです。私たちは失望しました。数人の女たちが今朝墓に行ったのですが、墓は空っぽで遺体はなかった、と言うのです。何があったのか見当もつきません。天使がそこに現れて、主イエスはよみがえられたと言ったと、いうのです。彼女たちは悲しみのあまり取り乱し天使の幻でも見たのでしょう。(19~25節)

 そこでイエスは彼らに言われた。「ああ、愚かな者たち。心が鈍くて、預言者たちの言ったことすべてを信じない者たち。キリストは必ずそのような苦しみを受け、それからその栄光に入るはずだったのではありませんか。」それからイエスは、モーセやすべての預言者たちから始めて、ご自分について聖書全体に書いてあることを彼らに解き明かされた。(ルカ24:25〜27)

 クレオパたちは2000年前の人々ですが、現代人の私たちとそっくり同じ考え方をしています。論理的で科学的でした。常識的な判断をしたはずですが、悲しみに暮れ、失望落胆し、とぼとぼとエルサレムから遠ざかる最中でした。主イエスがご自分を隠してクレオパたちと語ったり理由の一つは、復活を知らないキリスト者の姿がどんなにあわれかを示したかったと思われます。
 ああ、愚かな者たちと、彼らは主イエスに叱られました。何が問題だったのでしょう。主イエスについての説明は的を得ていましたが、すべてが過去形で、今を生きる力になりません。奇跡も教えも主イエスの愛も十字架も歴史という時間の川に流されて意味を失ってしまいました。復活の信仰を持たないなら、主イエスの御業や言葉も化石となってしまうのです。

 主イエスの十字架と復活をセットで理解しないなら、主イエスがして来たことすべてを無駄にすることになり、父なる神の愛も知恵もご計画も全否定することになるのです。

主イエスがクレオパたちに旧約聖書の預言を取り上げてどのように解説されたか、今では知る由もありません。以下のような内容だったかもしれませんね。

一人息子をモリヤの地(エルサレム)でささげたアブラハム→創世記22:2

子羊の血で救われた過ぎ越しの祭り→出エジプト記12:7

竿の先の青銅の蛇を仰ぎ見て救われる→民数記21:8

救い主は処女から生まれる→イザヤ7:14

救い主はベツレヘムで生まれる→ミカ書5:2

ガリラヤで活動する→イザヤ書9::1

ロバに乗って入城する→ゼカリヤ9:9

裏切られる→詩篇41:9、

不正な裁判を受ける→イザヤ53

裁判で弁明しない→イザヤ53:7、

捨てられる→詩篇118:22、

銀貨30枚で売られる→ゼカリヤ11:13、

十字架でとりなしの祈りをされる→イザヤ53:12、

乾きを経験する→詩篇22:15、

父なる神との関係が絶たれる→詩篇22:1、

骨が砕かれない→詩篇34:20、

槍で突かれる→ゼカリヤ12:10、

死んだままで終わらない→詩篇16:10

 クレオパたちは、主イエスの解説を聞いているうちに心が燃えてきました。(32節)復活された主イエスに直接面会することよりも、聖書の言葉をしっかりと理解できたほうが何倍も力があるのです。

 主イエスさまは、今日も、私たちの横をそっと歩いて私たちを励ましてくださいます。もしも身近にクレオパのような人がいたら、その話を全部聞いてあげましょう、そして、聖書を開いて励ましてあげましょう。

 御使いが言った言葉を心に刻みましょう。

 イエスさまが生きておられる。(ルカ24:23)

□復活を信じないなら主イエスの働きを無駄にしてしまう。
□聖書は、救い主の苦難と復活を預言していた。
□イースターは復活された主イエスをたたえる希望と喜びの日です。


2023年4月5日水曜日

ルツ記2:8~16

 ルツ記2:8~9でボアズは自己紹介もせず、ルツの話も聞かずに、矢継ぎ早に指示を与えました。他の畑に行かずにここで働きなさい。女性たちの中で働くなら安全だと。

ボアズは、自分の気持ち、理由、目的を明かさず、プロセスも述べずに結論だけを話しました。男性によくあるコミュニケーション方法です。

彼女は顔を伏せ、地面にひれ伏して彼に言った。「どうして私に親切にし、気遣ってくださるのですか。私はよそ者ですのに。」(ルツ記2:10)

 ボアズは答えた。「あなたの夫が亡くなってから、あなたが姑にしたこと、それに自分の父母や生まれた故郷を離れて、これまで知らなかった民のところに来たことについて、私は詳しく話を聞いています。主があなたのしたことに報いてくださるように。あなたがその翼の下に身を避けようとして来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように。(ルツ記2:11~12)

 ルツに問われてボアズは、彼女を援助する理由を話しました。彼はナオミの夫の親戚だったので、ルツについて「私は詳しく聞いています」と説明しました。ルツの親孝行、故郷と父母を捨てた犠牲、神を頼って生きる信仰姿勢を知っており、感動し、尊敬し、共感していたのです。

 ボアズは、ルツの隠れた親切と犠牲と信仰に関して、主から報いがあるようにと心から言ってくれました。主イエスもあなたの隠れた行動を知っておられます。「あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を知っている」(黙示録2:19)

 神とは母鳥のようなもので、助けを求める者に大きな翼を広げて助けてくれるとボアズは語りました。彼の信仰がにじみ出ています。「瞳のように私を守り、御翼の陰にかくまってください。」(詩編17:8)

 彼女は言った。「ご主人様。私はあなたの好意を得たいと存じます。あなたは私を慰め、このはしための心に語りかけてくださいました。私はあなたのしための一人にも及びませんのに。」(ルツ記2:13)

 ルツはボアズの話を聞いて納得し、申し出を受け入れました。「私を慰め、このはしための心に語りかけてくださいました。」とルツは言いました。ボアズがルツの隠れた行いを称賛してくれたことでとても慰められたのです。ルツの行動や信仰に深い共感を寄せてくれたことで、心が通い合い嬉しくなったのです。

 14~16節によると、ボアズはルツと心が通じ合ったことで嬉しくなり、食べ物を提供し、落穂の量を増やすように若い者に指示しました。

 結婚相手を探しているなら、心が通じる人を選びましょう。同じ神を見上げて、魂の深い部分で共感できる人がいいですね。投げたボールをしっかりキャッチしてくれて、気持ちよくボールを返してくれる人と結婚できたら幸せです。

 すでに結婚しているなら、相手の尊敬できるところをほめ、感謝し、愛して、助けて、二人が共に幸せになれるようにしてください。今からでもボアズとルツのようになれます。

□まことの神は親鳥のように翼を広げてあなたを守ってくださる。
□あなたの隠れた愛や献身や信仰や忍耐は、誰かに知られ、神に知られている。
□夫婦は互いに尊敬を表して愛を伝えましょう。

ヨハネ20:1~18 ラボニ

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