2023年5月28日日曜日

ルツ記4:13~22

  ボアズはルツを迎え、彼女は彼の妻となった。ボアズは彼女のところに入り、主はルツを身ごもらせ、彼女は男の子を産んだ。(ルツ4:13)

  ルツ記の最終回になりました。

 ボアズとルツの結婚式が行われました。やがて男の子が誕生しました。近所の女性たちは、赤ちゃんを抱くナオミを囲み一緒に喜んでくれました。そして、「主がほめたたえられますように」(14)と口々に言いました。ルツ記の最後を飾る美しい場面です。

この女性たちは、ナオミとルツがベツレヘムに帰って来た姿を見て、「まあ、ナオミではありませんか」(1:19)と言って悪い噂や陰口を広げた人と同じ人々の可能性がありますが、今では主をほめたたえる人になりました。土地の贖い、結婚式、赤ちゃんの誕生の一連の出来事を見て、心が洗われ、主のみわざに気づいたのでしょう。

彼女たちは赤ちゃんにオベデと名付けてくれました。(参照:ルカ1:57~65、エリサベツの子も近所の人がザカリヤと名付けようとしていました。)

 周囲の人々が私たちの生き方を見て、主をたたえてくれたら幸いです。そうです、私たちの人生の目標は個人の名誉や富や成功ではなく、神の栄光なのです。

 

 思い起こすと、ベツレヘムに戻って来た当時のナオミとルツは、暗く、悲観的で、貧しく、生きるだけで精一杯でした。でも主が姑と嫁を一歩一歩導いて信仰を強めて下さいました。ナオミも適切な助言をルツに与えることができました。ルツも勇気を出して行動できました。ボアズもルツに応答して土地の売買を実行しました。そして最後は素晴らしいハッピーエンドを迎えました。

ルツ記は、私たちの人生にも同じことが起こると励ましているのです。今日が涙と悲嘆と失望と孤独の日でも、主がおられるのでそれで終わりではなく、最後は祝福と笑顔と主の栄光になるのです。

 

 ルツ記最後の部分、18~22節にはユダ族の系図が書かれています。ユダの子孫は、嫁タマルによって生まれたペレツが主流となりました。その流れにボアズが生まれ、その息子がオベデとなり、その子がエッサイ、エッサイの末っ子がダビデです。

 ボアズもルツも彼らのひ孫が偉大な王になる姿は見ずに地上生涯を終えたはずです。マタイ1:2~6と1:16を読むと、この系図の最後に救い主イエスさまが生まれています。ナオミもルツもボアズも神のビッグピクチャは想像もつきませんでした。

ナオミもルツも陸上競技のトラックを一周する400mリレーの走者の一人と同じです。自分に託されたパートを全力で走ったのです。それで最終走者がイエスさまになるという祝福に連なったのです。あなたの人生は今祝福されるだけでなく、後の子孫やあなたと関わりのあった人に後に素晴らしい影響を与え、あなたの知らない世代で大きな花を咲かせることがあるのです。

「主によって、人の歩みは確かにされる。主はその人の道を喜ばれる。その人は転んでも倒れ伏すことはない。主がその人の腕を支えておられるからだ。」(詩編37:23~24)

□私たちの決断と行動が最終的に主の栄光を表す。
 □主は、わたしたちを悲しみと失望から光と喜びに導いて下さる方。
 □あなたはリレー選手の一人、自分のパートを精一杯走ろう。

2023年5月22日月曜日

ルツ記4:7~12

今日の箇所にはボアズによる買い戻しが正式に完了したことが書かれています。

「昔イスラエルでは、買い戻しや権利の譲渡をする場合、すべての取り引きを有効にするために、一方が自分の履き物を脱いで、それを相手に渡す習慣があった。これがイスラエルにおける認証の方法であった。」(ルツ記4:7)

ルツがボアズに求婚した時とルツ記が書かれた時代の間にはかなりのタイムラグがあることが7節の記述で分かります。履き物を脱いで渡すという商習慣はかなり昔に途絶えていたようです。

このようなわけで、ルツ記が書かれたのはダビデが王に即位し、王国が栄えた後に書かれたものだと推測できます。ダビデは、自分の力で王になったと考えていませんでした。すべては主の助け、導き、あわれみによると考えました。また、ダビデの先祖ナオミ、ルツ、ボアズが信仰をもって勇敢に行動してくれたので、血筋が途絶えることなく、ダビデに命が与えられたと考えていたのです。

私たちも、神が備えてくれた先駆者、良いものを子孫に伝えてくれた恩人として先祖たちに感謝できます。あなたにとってのボアズやルツは誰ですか。

ボアズは9~10節で、ナオミとエリメレクの土地を買い取ったと述べ、ルツを自分の妻とすることにより血筋を守ったと宣言しました。

ユダヤ人は土地と血筋の二つをとても大切にしました。その二つは、神がアブラハムに与えた約束の中心でした。神はアブラハムにこの土地を与えると約束されました。また、子供のいないアブラハムに必ず息子が与えられ、その子孫が星の数ほど増えると言われました。土地と子孫。それは神から頂いた最も大切な祝福だったのです。

あなたにとっての土地と血筋とは何でしょう。今、手にしている財産や土地。先祖や父母から受け継いだ性格、能力、容姿やスタイル、生まれた場所などが私たちにとっての土地や血筋なのかもしれません。両親がクリスチャンなら、そこからも大きな恵みをもらっています。神から頂いた祝福を感謝しましょう。

どうか、主が、あなたの家に嫁ぐ人を、イスラエルの家を建てたラケルとレアの二人のようにされますように。(ルツ記4:11)

長老たちはボアズとルツの結婚を喜び、十二部族の母となったラケルとレアのようにルツが用いられるようにと祝福してくれました。ボアズがベツレヘムを含むエフライム地方で繁栄するようにと願ってくれました。そして、ルツによって子孫が与えられるように祈ってくれました。

かつて十二部族の一つ、ユダ族が途絶えそうになった時がありました。創世記38章に詳しく書かれています。その時、ユダの家に嫁いだタマルが勇気ある行動をしたので、ユダの血筋が存続でき、ペレツが生まれ、その子孫にボアズが生まれました。(マタイ1:3)

ボアズの行動は、ルツへの愛情の表現にとどまらず、ユダ族の土地と血筋を守ることになりました。ボアズは経済的に大きな犠牲を払い、外国人を妻にするという困難も乗り越え、それによって神への愛をあらわしました。

 □あなたにとっての先祖ボアズとルツに感謝しよう。
 □神から与えられた「土地」や「家族」とは何だろう。
 □神から与えられた良きものを守り続けよう。

2023年5月14日日曜日

ルツ記4:1~6

 ボアズは町の長老十人を招いて、「ここにお座りください。」と言ったので、彼らも座った。(ルツ記4:2)

ボアズは深夜、足元にいたルツと話して自分がなすべき事が何かを理解しました。おそらくボアズはその夜ずっと祈っていたはずです。そして、具体的な計画を練り上げていたことでしょう。朝になるとボアズはすぐに行動し、町の門に座りました。10人の長老を招き、買い戻しの手続きを正式に行うことにしました。

あなたは重大な事柄が目の前にある時、ボアズのようにまっすぐに対処できますか。多くの人は、直進できずに、避けたり、別な事をしたり、逃げたり、先延ばししたり、動けなくなったりします。一番大事な事にきちんと向き合いましょう。ボアズのように、祈り、段取りを整え、具体的に行動してみましょう。

ちょうど、ボアズが言ったあの買い戻しの権利のある親類が通りかかった。(4:1)

ルツ記にはびっくりするような奇跡は一つもありません。ですが、「はからずも」(2:3)、「ちょうどそのとき」(2:4)、「ちょうど」(4:1)というように、タイミングが絶妙なのです。私たちの日常生活にも主の見えない御手が働いているのです。

 「モアブの野から帰って来たナオミは、私たちの身内のエリメレクの畑を売ることにしています。」(3節)

「もし、あなたがそれを買い戻すつもりなら、それを買い戻してください。」「あなたを差し置いてそれを買い戻す人はいません。」「私はあなたの次です。」(4節)

ボアズはルツと結婚したかったのですが、がむしゃらに話を進めませんでした。優先権のある親類にエリメレクの畑の話をして、その人の決断を尊重しました。祈って備えた人は、自分の願い事であっても結果は主の御手にお任せできるのです。

 その親類はその土地を買い戻しますと一旦は述べましたが、「死んだ人の妻であったモアブ人の女ルツを引き受けなければなりません。」(5節)とボアズがコメントすると急に態度を改め、ボアズに譲ると言い出しました。外国人のルツを妻にする用意はできていなかったようです。

 わたしに代わって、あなたが買い戻してください。私は買い戻すことができません。(6節)

 ボアズは、親類の行動を予想していたのであわてることなく、「モアブの女」という言葉を強調して交渉しました。提案の仕方を練り上げていたことがうかがえます。最後には、買い戻しの権利のある親類に感謝されるような形で、土地の売買は成立しました。

ボアズは主に完全にゆだねつつ、最善を尽くしました。これは信仰者の生き方の基本姿勢です。主の前に完全に両手を開きつつ、自分ができるベストを実行しましょう。

 □大事な事柄の実現のため、まっすぐに行動しましょう。
 □そのため、よく祈り、よく準備しましょう。
 □最終結果は、主におゆだねしましょう。

 

2023年5月7日日曜日

ルツ記3:6~18

 ルツはナオミの指示に従いボアズの足元に忍び込みました。あなたがルツなら、そこで何を考えるでしょう。今回の行動がボアズに受け入れられるようにとひたすら祈ることでしょう。最初の一言を何度も心の中で繰り返すことでしょう。

 ボアズは夜中、人の気配を感じて飛び起きて、あなたは誰だと聞きました。

 「わたしはあなたのはしためルツです。あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。あなたは買戻しの権利のある親類です。」(ルツ記3:9)

 「おおい」という単語はヘブル語でカナーフ、2:12でボアズが用いた言葉で、直訳は「翼」です。ルツは、神の翼の保護を求めてこの地にやって来ましたが、あなたの翼でもおおって欲しいのですと伝えました。逆プロポーズでありながら、へりくだった姿勢を切々と伝えました。ボアズがあがないの権利のある親戚なので、姑ナオミが失った土地を買い戻して下さいと頼みました。

 ボアズ即答し、イエスと言いました。その土地を買い戻し、土地の元所有者の未亡人と結婚するという一連の行為が<買い戻す>という意味でした。

 ボアズは、「娘さん、もう恐れる必要はありません。あなたが言うことはすべてしてあげましょう。」(11節)

 買い戻しの権利のある親類はボアズ以外にもう一人、優先権を持つ者がいるとボアズは述べました。ボアズは既にナオミの土地を買い戻すつもりで具体的な手順を確認済みだったのです。大切なことは、主のみこころを求めながら計画し決断する事です。

「その人が親類の役目を果たすことを望まないなら、私があなたを買戻します。主は生きておられます。」(13節)

ボアズの目の前には困難の壁がありましたが、生きておられる主によって乗り越えられると前向きに考えました。誰でもボアズと同じ信仰に立てます。あなたも口から声を出していいましょう、主は生きておられると。

 ナオミは、ベツレヘムに戻った時「素手で帰された」ことを嘆いていました。(1:21)ボアズは、「手ぶらで帰ってはならない」(3:17)と言って大麦6杯をルツの上着に入れ結納代わりに持たせました。ナオミはそれを見て言いました。「あの方は、今日このことを決めてしまわなければ落ち着かないでしょうから。」(18節)

 もしルツが否定的な人なら、ナオミの今回の作戦を退けてこう反論したでしょう。ボアズと自分は住む世界が違い過ぎる。現実は甘くない。社会は不公平で冷たいと。良く考えて下さい。現実とは、あなたの決断や考え方が積み重なってできた地層のようなものです。ですから、信仰という名の絵具を用い、決断という名の筆によって、絵を描くなら、現実は油絵のように上書きできるのです。ルツのように、ボアズのように、主を信頼して、美しい絵を新しく描いていきましょう。

 奇しくもルツとボアズの発言はそっくりで前向きです。5節のルツの発言と11節のボアズの発言を英訳聖書で見れば分かります。私はします=I will doという強い意志と信仰が感じられます。

I will do whatever you say. 「おっしゃることは、みないたします。」(5節)

I will do for you all you ask. 「あなたが言うことはすべてしてあげましょう。」(11節)

 

 □勇気を出して「おおって下さい」と言いましょう。
 □主は生きておられるので、困難にひるまずに行動しましょう。

 □あなたらしく新しい現実を描きましょう


ヨハネ20:1~18 ラボニ

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